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読書の森

過去を消した主人公たち

あの『白夜行』を彷彿とさせる東野圭吾作『幻夜』、純粋な(?)悪人を主人公としたところは同じですが、読後の印象はかなり異なります。

阪神淡路大震災の最中に、実の叔父を殺してしまった若い男。
それは自分の身を守る為に衝動的に犯した行為だった。
その現場を目的していた謎の美女。彼女も人に言えない過去がある様だった。
上京した二人は次々と悪事を働いていく。
表舞台で輝く女、彼女を愛する故に残酷な人殺しも厭わない男。

その美貌と才智で富と名声の階段を上り詰めていく女と、魂を抜き取られ、陰で悪事を働く男の悲劇、というシチュエーションは『白夜行』そっくりですが、読後感はかなり違います。


私としては『白夜行』の方がずっと好みです。
幼少期の忌まわしい体験から逃れたい一心で衝動的に親殺しの罪を犯した愛し合う男女。という設定は暗いロマンがあります。

しかし、『幻夜』のヒロイン美冬は誰も愛してはいない。ただ自分の為に男を操っている女性です。彼女の過去は小説の中で一つも語られていません。
しかし、残忍極まりない悪事を働く誘因になっているに違いない。

人には決して話せない過去を持っている人は多くはないけど、存在します。
それを知られたく無い為に罪を犯す事はあり得るでしょう。
そしてその犯罪をテーマにしたミステリーは結構多いのです。

古くは水上勉の『飢餓海峡』、松本清張の『砂の器』です。
『砂の器』の主人公は宿痾の父親と放浪した過去を決して知られたくない地位に上り詰めてます。
イケメンで才能と人気に恵まれた彼は、その地位を失いたくないばかりに善意の人を次々に殺していきます。

『砂の器』、『幻夜』の共通点は戸籍自体を変えて全く別人になりすましている事なのです。
宮部みゆきの『火車』でも使われた手で死んだ(殺した)他人の戸籍になるのです。

生憎、海外のミステリーで同じ設定のものを知りませんが、これってアナログの時代だったからこそ有効な手段ですよね。
顔写真と一致させる身分証がモノを言う現代は通用しますかね?

どちらにしても物語の世界だけのミステリーにしていただきたいです。

いつかは、この物凄く非人間的で忌まわしいコロナ禍が収束するでしょう。
そのあと、コロナ禍で起きたミステリーをテーマにした作品が出るでしょうか?

それは明文化するとあまりに冷酷過ぎて、むしろ『鬼滅の刃』的なファンタジーの方が若い人好みかも知れません。

宅配で購入、冷凍して調理、に、やっと慣れてきました。

鳥のもも肉胸肉は冷凍で扱い易いです。
一回分ずつ切り分けてラップに包んで容器に入れ、冷凍します。

写真は、タレに浸して片栗粉をまぶして油で揚げ焼きしたもも肉に、酢醤油をかけたものです。
私はタレ(醤油、酒、生姜)、酢醤油(酢、醤油、砂糖、七味唐辛子)にしました。醤油は両方使うので少量です。

唐揚げっぽい味になって美味しいです♪







読んでいただきありがとうございました。

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