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読書の森

伊集院静『悩むが花』第521回

お馴染み伊集院静先生の人生相談、今日のは解答より質問の方が遥かに面白かったです。

いずれも「自立出来ない困ったさん」の話です。

当然質問の文章はそのままでなく、編集者が手直しするから、大袈裟になってるかも知れません。
読んだ方で、「ウチの方がまし」と安心する向きが多いと思います。


最初のケースは私立大学に通う娘(19歳)の独立宣言(バイトでお金を貯めて独り暮らし)されたお父さん(48歳)からの相談です。

まさに、私は娘さんと同じ歳でこれを実行してしまったのでした。
しかし、又親に強引に引き戻されたのでございます。

この父親は「イケメン好きの娘が悪い男に騙されるのではないか?」と心配で心配で仕方ない。
「男に騙されない方法があったら教えてください!」と伊集院さんに泣きつきます。

「はあ、男親ってそういう心配するんだ」

それで、伊集院さんの答えを読んで嬉しくなりました。
「彼女がお金を貯めて独りで生きていくという根本に、自立したいという気持ちだけがある」と言い切ってます。

まあ、そうは言っても現実は色々困難があるでしょうけど。

私はこのやりとりを読んで、56年前の自分と同じ気持ちになって懐かしくなりました。


次は自立出来ない奥様からの質問、単身赴任してる夫が久しぶりに帰ってきた。
帰宅するなり「庭のアネモネがとても綺麗だね」と言ったそうです。

ビックリしたのが、この奥様の発想です。
多分愛人からいろいろ教えられたのでしょう。でも「他に女がいるの?」と聞いて、「そうだ」と答えたら怖い。どう対処しようという質問。

なんですかね(^。^)

伊集院さんは慌てずに「ご主人が花を愛でる年頃になったという事」と受け流してます。

最初のお父さんもこの奥様も、ずっと独身の私からは???の反応ばかりされてます。
しかし、ひょっとしてこういう反応はザラにあるのでしょうか。皮肉でも冗談でもなく、教えていただきたくなりました。



最後のやりとり、これ以上ネタバレせぬよう具体的に説明しません。
これは息子を支配し切ってる家庭的(?)な父親に対する息子のお悩み相談であります。

伊集院静はいずれの悩みにも真正面から切り込む事なく、さらりと優しさを込めた解答をしてます。

結局、家庭内の自立の問題を解決するのは当事者以外に無いです。自己主張じゃない、相手の立場を理解してユーモアを交えた話し合いが出来れば最高です♪
いずれ、いつかは(死別があるので)一人一人です♪そう考えれば、許せることはかなりあると思います。

私は幼い頃、デパートの最上階の食堂でお子様ランチを食べるのがとても楽しみでした。
その嗜好がずっと残っていて、今もオムレツやハンバーグなどが大好きです♪
この日も大きなオムレツを作って完食してしまいました。

それにしても「自立!」の問題で家族と喧嘩するのも、幸せな事かも知れませんよ。
二度と再び、お子様ランチは食べられませんからね。






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