韓国ドラマは哲学的感性を刺激する

韓国ドラマ、IT・デジタルなこと、AIなどと並んで哲学に関する事柄や、よろずこの世界の出来事について書き綴ります

感謝とやる気

2006-01-01 06:00:00 | 情報セキュリティ
 コンピュータシステムを開発し、それを維持していくことには大変な労力が必要です。

 開発と運用管理とでは、別々のノウハウや能力を要求される部分がありますが、基本的部分は同じです。それは、開発の仕事にしても、運用管理の仕事にしても社会の裏方であるということです。

 最近は、IT業界への若者の志望者が減ってきているという話も聞きました。どちらかといえば、ホワイトカラーでありながら汚れ仕事のイメージがつきつつあるようです。

 システムを作り上げたときの喜び、日々システムを順調に動かし続ける時に感じる満足感と誇り、これがIT業界で働く人たちの原動力となっています。

 ところが、最近はシステムを作り上げても、見事にトラブルなく動かし続けても誰からも感謝されることなく、当たり前だと思われてしまうということが増えているようです。

 このようなことを言うと、プロなんだからできて当たり前じゃないか、何を甘えたことをいうかというおしかりを受けそうですが、システムを支え続けているのは実はコンピュータではなく人間なのです。

 いくら仕事とはいえ、自分の仕事に対して何の感謝も、尊敬も受けないとすればその人はやる気を失います。それが人間というものです。そのような人たちが、日本中に増え続けているとすれば、日本のIT業界にとって大問題です。

 私も現場の経験が長いので、ここで述べているような事態についてはものすごくよく理解できます。システムの仕事はその本質上裏方であることは否定しようがありませんが、それならそれで、業務に携わる人たちの喜びややる気を引き出してシステムがうまく動くようにするのが、企業のマネジメントというものではないでしょうか。

 システム予算を単なるコストとみなし、安ければ安いほどいいと公言し、情報システムにかかわる人たちを社内の傍流とみなし、できるだけ外注に仕事を投げてしまうことが当たり前だと思っている企業の未来は暗いと思います。

 そのような環境で働く人たちが、システムを我が子のようにかわいがり、愛情を持って維持管理したり、開発したりするでしょうか?答えは否です。

 仕事だからやっているという意識では、コンピュータシステムを作ったり、維持管理していくことはできません。プラスαの人間的な情熱が加わってこそ、システムはその企業にとってプラスの価値を産み出すのです。

 このようなことを理解している経営者はどのくらいいるでしょうか?情報セキュリティについても全く同じことが言えます。これからの時代は、コンピュータシステムの開発と維持管理について、きちんとした理解をもった経営者やリーダがいる企業が成長していくと、私は思っています。

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