今回の大学入試センター試験で、はじめて英語のリスニング試験が導入されました。ICプレーヤーを使用しての試験だそうですが、私はこれを聞いたとき、かなりのトラブルが起こるだろうと予想していました。
そして、その予想は的中し、トラブルが続出してしまいました。しかし、この件で大学入試センターが記者会見を開いたのですが、その際のセンター側の責任者の発表にあきれ果ててしまいました。「不具合ゼロと思っていた」というのです。
今回のリスニング試験の受験者数は約50万人です。ということは、50万台のICプレーヤーを一斉に使用することになります。そんなにたくさんの機器を使用して、一台も不具合なく試験がおこなえると思えるメンタリティを私は全く理解できませんでした。
センター側の危機管理意識のなさにあきれてしまったというのが、正直な私の気持ちです。大学受験というのは、受験生にとっては一世一代の大切なことでいろいろな意味で神経質になっているのに、それをさかなでするような記者会見でのコメントだったと思います。
本来ならば、一定数のプレーヤーがトラブルを起こすことを前提に、そういう事態を想定した対策を準備して、またできる限りそれを受験生にあらかじめ知らせておいて受験生を安心させるのが正しい行動です。
情報セキュリティ対策においても、まったく同じことが言えます。もちろん、不測の事態すべてに対応策を準備することはできませんが、できるだけのことを予想して、それに対応できる体制を整えておくのが責任者の役割です。
結局何が問題かというと、上記のようなコメントを発表できてしまうメンタリティが問題なのであって、そういうことができてしまうということが、危機管理意識の薄さを表していると言えます。
心配はすればきりがありません。しかし、ある程度の心配は必要です。50万台のプレーヤーを使用してのリスニング試験を初めて行うにしては、あまりにも危機管理意識がなさすぎたというのが、私の正直な感想です。
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本来ならば、一定数のプレーヤーがトラブルを起こすことを前提に、そういう事態を想定した対策を準備して、またできる限りそれを受験生にあらかじめ知らせておいて受験生を安心させるのが正しい行動です。
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