韓国ドラマは哲学的感性を刺激する

韓国ドラマ、IT・デジタルなこと、AIなどと並んで哲学に関する事柄や、よろずこの世界の出来事について書き綴ります

電車男とセキュリティ

2006-01-03 06:00:00 | 情報セキュリティ
 お正月番組の「電車男」の再放送をみていて思いました。もし電車の中で暴漢に襲われそうになっている女性を見かけたとき、実際に助けることができるかどうか、皆、一度は自分に問うたことがあるのではないでしょうか。

 見て見ぬふりをするか、勇気を出してその状況に飛び込んで行って当事者としての運命を引き受けるか。他人から見れば大したことでもないように見えますが、その当人にとっては大変な重大事だったりします。

 日常生活に起こる何気ないことを見過ごすか、積極的に自分の問題として引き受けるかという、その選択がのちにその人の運命に大きな影響を及ぼすかも知れません。

 恋愛のチャンスが待っていても転がり込んでこないのと同じように、日常のセキュリティ対策も五感をとぎすましていろいろなことに気を配っていることによって、大きなトラブルを未然に防止できる可能性があります。

 なにかあっても、気にしない気にしない、気のせいとすましてしまうようなメンタリティは、少なくともセキュリティ対策という行為には向いていないと思います。日頃の何気ない周囲の変化を敏感に感じ取る感性が重要です。

 もっとも、あまりにも細かいことを気にしすぎることはノイローゼの原因ですが、ほどほどな敏感さと感受性の豊かさはセキュリティ対策にあたる人間に必要な能力です。

 暴漢が女性を襲うシーンは目の前に飛び込んできますが、問題は目に見えない事柄です。それらの変化を敏感に感じ取り、自分がどう行動すべきか。その決断が一番大切なのです。

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三菱東京UFJ銀行の誕生

2006-01-02 06:00:00 | 情報セキュリティ
 1/1をもって、三菱東京UFJ銀行が誕生しました。個人的にメインで利用している銀行なので、システム統合がうまくいってほしいなと思っているところです。

 過去、銀行の統合によるシステムトラブルではみずほ銀行でのそれが記憶に新しいですが、今度はスムーズにいくのでしょうか。本来のスケジュールは10/1だったのに、金融庁から準備不足という指摘を受けて合併が延期されたという経緯があるので、関係者としては絶対に大きなトラブルを起こせないところです。

 私には、現場の担当者たちの緊張が手に取るようにわかります。1/4の通常業務再開に向けて今頃は皆全力で作業中なのか、それともある程度目星がついて、ほっとしているところか、後者であることを祈っています。

 企業の情報システムをトラブルなく動かし続けることは、その企業が社会的に大きな影響力を持てば持つほど、強く要請されることになります。今回の日本を代表する銀行のシステム統合は、その意味で大変重要なものと言えるでしょう。

 企業がいかに情報システムを支障なく運用していくか。綿密な計画を立て、もしトラブルが起こった場合にはどのような手順で対応するかという事業継続計画を立てておくことが、ISMS(ISO27001)認証で要求されています。

 銀行業務とシステム構築、運用にかかわってきた人たちが知恵を出し合って成し遂げる作業の結果はどうなるでしょうか。1/4に期待することにしましょう。

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感謝とやる気

2006-01-01 06:00:00 | 情報セキュリティ
 コンピュータシステムを開発し、それを維持していくことには大変な労力が必要です。

 開発と運用管理とでは、別々のノウハウや能力を要求される部分がありますが、基本的部分は同じです。それは、開発の仕事にしても、運用管理の仕事にしても社会の裏方であるということです。

 最近は、IT業界への若者の志望者が減ってきているという話も聞きました。どちらかといえば、ホワイトカラーでありながら汚れ仕事のイメージがつきつつあるようです。

 システムを作り上げたときの喜び、日々システムを順調に動かし続ける時に感じる満足感と誇り、これがIT業界で働く人たちの原動力となっています。

 ところが、最近はシステムを作り上げても、見事にトラブルなく動かし続けても誰からも感謝されることなく、当たり前だと思われてしまうということが増えているようです。

 このようなことを言うと、プロなんだからできて当たり前じゃないか、何を甘えたことをいうかというおしかりを受けそうですが、システムを支え続けているのは実はコンピュータではなく人間なのです。

 いくら仕事とはいえ、自分の仕事に対して何の感謝も、尊敬も受けないとすればその人はやる気を失います。それが人間というものです。そのような人たちが、日本中に増え続けているとすれば、日本のIT業界にとって大問題です。

 私も現場の経験が長いので、ここで述べているような事態についてはものすごくよく理解できます。システムの仕事はその本質上裏方であることは否定しようがありませんが、それならそれで、業務に携わる人たちの喜びややる気を引き出してシステムがうまく動くようにするのが、企業のマネジメントというものではないでしょうか。

 システム予算を単なるコストとみなし、安ければ安いほどいいと公言し、情報システムにかかわる人たちを社内の傍流とみなし、できるだけ外注に仕事を投げてしまうことが当たり前だと思っている企業の未来は暗いと思います。

 そのような環境で働く人たちが、システムを我が子のようにかわいがり、愛情を持って維持管理したり、開発したりするでしょうか?答えは否です。

 仕事だからやっているという意識では、コンピュータシステムを作ったり、維持管理していくことはできません。プラスαの人間的な情熱が加わってこそ、システムはその企業にとってプラスの価値を産み出すのです。

 このようなことを理解している経営者はどのくらいいるでしょうか?情報セキュリティについても全く同じことが言えます。これからの時代は、コンピュータシステムの開発と維持管理について、きちんとした理解をもった経営者やリーダがいる企業が成長していくと、私は思っています。

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