
まだ途中なんですが返却日が近付いてきた 『悪魔に仕える牧師 』 リチャード・ドーキンス(早川書房)
早川書房と聞いて、サスペンス? SFかぁ? と眉に唾をつけてはいけません。『利己的な遺伝子』 の著者のエッセイや書評をまとめたものなんですから。 利己的な遺伝子とは 「ある遺伝子に促された行動がその遺伝子の成功率を高めるのであれば、結果として個体が取る行動がその個体にとって利他的なものであっても、その行動を促す遺伝子は遺伝子プール中での頻度を増し(wikipedia参照)・・・」というもので、ダーウィンの進化論が発展してきたもののようです。 で、この本ですが、欧米はキリスト教中心の創造論が支配する世界だから、激しい論争が繰り広げられ(現在もなお)てきたそうです。 またユダヤ・キリスト・イスラムなど一神教の対立が世界を混乱させているとして、宗教を否定することなどが主な内容です。 知的で理性的な人であれば「なるほど」と納得されるに違いないだろうと思える程度に理解した私です。 ただ、著者はこの方面のスペシャリストであり、崇高な理性の持ち主だからこそ、そうした考えを貫き通せるのかもしれませんが、普通の人間は弱いし、何かをより所にしたいけれど、科学は誰もが理解できるほどには簡単じゃないし、辛いことがあったとき「唱えれば救われる」と言われれば、そこに根拠がなくても、ついつい・・・というものではないでしょうか。 それに宗教を騙り人を騙して利益を得るワルイ奴は後を絶たないだろうし、そういう新興宗教に染まる前に、既存の宗教を信じる方がいいということでの存在価値があるのかもしれません。 というわけで著者の理想は当分やってこないだろうと思いますが、とにかく、こういう論争があるというのが、欧米世界では知れ渡っているのだとしたら、様々な科学上の倫理などについて、誰もが関心を持っているんだろうなと思います。だから早くから臓器移植など倫理にを抜きに展開できないだろうことについても先進的なんだと・・・日本の様々な事柄が遅れていると思われるのも、そうした論争が一般的に普及していないからかもしれません・・・などというようなことを思いながら読み進めています・・・
・・・読み終えました。
途中、ついていけなくて眠くなってしまうこともありましたが、
最後の章だけは、ほぼ理解したと思います。
それは著者の10歳になる娘への手紙です・・・