ビートルズの英国版と米国盤のアルバムタイトルが違っていたり、収録内容が違っているのは有名ですが、米国盤の方は収録曲数が違っているのは購入する側からすると何だか損をした気分になります。サージェント・ペッパーズで統一される前までは英国版が14曲(ア・ハード・デイズ・ナイトは13曲)に対して米国盤は11曲ないし12曲でした。米国のほうが1曲あたりの著作権料が高かったおかげでこのようになったそうですね。しかし、米国は商魂逞しくせこいビジネスモデルで次々とアルバムを販売していきました。前のアルバムからの数曲もしくはシングル曲を次のアルバムに入れ込むような感じでアルバムを作っていました。そのため米国ではビートルズが意図しないようなアルバム構成となってしまい、ジョン・レノンは不満を漏らしていました。だって、ラバー・ソウルなんて酷いの局地です。肝心なドライブ・マイ・カー、ノーウェアー・マンなど重要な曲が入っておらず(ついでに言うと、リンゴが作成に加わったホワット・ゴーズ・オンも)、その代りにヘルプ!からのアイヴ・ジャスト・シーン・ア・フェイスとイッツ・オンリー・ラヴがAB面の1曲目となっています。かなり印象が違いますよね。ちなみに、ビーチ・ボーイズのブライアン・ウィルソンはラバー・ソウルに触発されてペット・サウンズの制作に入ったということで、英国版、米国盤のどちらにかが論争になっています。(結局どちらかは不明)。
米国盤は基本的にはキャピトル・レコードからのリリースとなっていますが、ファースト・アルバム(イントロデューシング・ビートルズ)だけはなぜかヴィージェイ・レコードからのリリースとなっています。単にヴィー・ジェイ・レコードしかリリースの手を挙げなかっただけで、1963年の時点ではキャピトルは売れないものとして相手にしていませんでした。
英国でリヴォルバーが7作目になるのですが、米国ではビートルズ・ストーリーを含めると
1.イントロデューシング・ビートルズ
2.ミート・ザ・ビートル
3.ビートルズ・セカンド・アルバム
4.ア・ハード・デイズ・ナイト(映画のサントラとオリジナルから少し)
5.サムシング・ニュー(ア・ハード・デイズ・ナイトっぽい)
6.ビートルズ・ストーリー
7.ビートルズ’65(ビートルズ・フォー・セールっぽい)
8.ジ・アーリー・ビートルズ(ファーストアルバムから若干削ったもの)
9.ビートルズVI(ビートルズ・フォー・セールっぽい)
10.ヘルプ!(映画のサントラとオリジナルのA面)
11.ラバー・ソウル(ヘルプから漏れたものとラバー・ソウル)
12.イエスタデイ・アンド・トゥデイ(ヘルプ+ラバー・ソウル+リヴォルヴァー+シングル)
13.リヴォルヴァー(上記のリヴォルヴァー以外)
とまぁこれだけアルバムを発表しています。実のところローリング・ストーンズもこれに似たり寄ったり。
ストーンズの場合は逆にこのやり方は戦略的に良いと思っていたようです。