カンナからの風

沖縄県北部東海岸にある小さな1軒のホテルから

台風の1日

2011-08-05 05:45:52 | 沖縄

沖縄に接近した台風・・・・ものすごい風が唸りをあげて暴れている。建物もぎしぎし・・と悲鳴をあげている。木々は今にも倒れんばかりに傾いて・・・5mのヤシが、お辞儀するほどに風に押し倒されている。きのうから、止む事の無い風の唸り声に恐怖感すら覚える。

建物から望む海は普段の穏やかな表情から一変して、まるでプロレスをしているかのよう!大きくうねりが広がり空に届きそうなほどの波頭が風にあおられて水煙を振りまいている。暴れている!他の言葉が見つからない・・・。昨夜から・・・この自然の猛威の中に、人は立ち尽くすのみ・・。

空から大魔王がやってきた・・・。来るぞ来るぞと大声で叫びながらやってきた。人々は、立ち尽くして逃げる事も出来ずにいる。生きる場所を無くすわけにはいかない・・・。遠い先祖から・・この土地で暮らして来た。この嵐もじっと我慢して過ぎ去るのを待つだけ・・。待つことが大切。時が来る。ちゃんと時が過ぎる。時は、止まることはない。

堪えることを学んだ人々は賢いと思う・・・。台風が過ぎ去ったら黙々と片付けをしてまた普段の生活に戻る。こうして何百年も人々はこの土地で賢く暮らして来た。心豊かな沖縄の人々。愛すべく沖縄の人々。