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浅間山(2,568m) (つづき)
外輪山の急峻な崖、牙山(ぎっぱやま)の文字通り牙のような岩を見上げながら進みます。たんたんと標高を上げていける、歩きやすい道のりです。約1時間45分で「火山館」に着きました。新しいログハウスで、屋根にはソーラー発電のパネルが敷かれています。休憩用、また避難用の施設ですが、水や食料などの販売はありません。中では薪ストーブが燃えています。ずっと登ってきたので暑いくらいですが、パチパチする音は心地よいです。小諸市の職員の方が1人常駐されています。
「毎日ここまで来ているんですか?」
「いやずっとここにいるよ。楽ですから。」
「朝は何度くらいまで下がるんですか?」
「今日は8度くらいかな。」この時期にしては、相当高いそうです。東京の今年は5月とても暑かったですが、山も同じようでした。この先山頂までは、樹林帯に少しだけ雪が残っているが、アイゼンはいらないとのこと。
どのくらい駐在されているか聞いてみると、1年のうち350日くらいはいるとの答えでした。食料は別の方が担ぎ上げてくれるそうです。空けてしまうと、冬は何もかも凍り付いてしまうからと話されていました。しかし冬になると、それこそマイナス2桁に下がることもあるでしょうから、大変な環境です。
「それは大変ですね」
「いや、さっき楽だからここにいるって言ったじゃない」
同じことを2回聞いてしまいました。
気象庁から「ランクA」に指定された、日本有数の活火山にもかかわらず、火口の半径500mまで近づけるのは、ここに職員さんが常駐されているおかげということもあるようでした。
火山館を出てしばらく登ると、教えてもらった通り樹林帯に残雪がありましたが、難なく歩くことができました。
(つづく)