妙高山(2,454m)
花あり、滝あり、鎖場あり、源泉のにおい漂う場所あり、中をのぞくと冷たい風にびっくりする「風穴」あり、とても楽しい山でした。ガスが出てきて頂上の眺望がなしだったのだけが残念でした。雲の向こうには去年登った火打山がそびえているはずです。最近はこういう惜しい天気が多い気がします。100点か0点かというのは面白くないし、登山には向かない考え方です。惜しいを楽しめるようにならなければ。
~ 「あの山の下が信州と越後の境になる」と教えると、「すると妙高のずっと向こう側は日本海なんですねえ」と感慨をこめてつぶやく人もいる。実はこの私もずいぶん以前から、妙高の山頂を見つめていると、いつの間にかその向こうの果てに広がる日本海を想像していたものだ。妙高からの風は日本海の潮騒に思えた。 ~
(手塚崇求『諸国名峰恋慕 三十九座の愛しき山々』(山と渓谷社))
登りは燕温泉から、下りは妙高高原スカイケーブルで降りるコースを使いました。この下りコースは、妙高山の登山道では一番楽だということですが、燕温泉のコースと体力的には大して変わらない印象です。淡々とした下り道ですが、霧に包まれたブナ林の雰囲気はなかなかよかったです。ただし、最後に傾斜が急なスキー場のゲレンデ歩きが待ち構えています。登りには不向きだと思います。
ここではとてもキノコに詳しい人とお話し、色々教えてもらいました。花の名前は少しずつ覚えてきたのに、キノコの名前は全然知りません。山のキノコはミステリアスなもので、覚えようとしても覚えられないものだと思っていました。「そんなにたくさん山に登っているのにキノコに興味がないのはもったいない」と言われ、確かにそうだなと、家に帰ってからさっそくこのキノコを調べてみました。傘だけでなく柄まで強烈に真っ赤で、よく覚えていたからです。名前は「アカタケ」のようです。まったく見た目の通り。いかにも毒々しいのでやはり毒キノコなのか、いや意外とそうではなくおいしいのか?結果はやっぱり毒キノコでした。残念ですが、キノコの道は食欲だけではとても究められないものでしょう。
(登頂:2017年9月上旬)