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浅間山(2,568m)
信濃なる 浅間の山も 燃ゆなれば 富士の煙の かひやなからん (後選和歌集)
新幹線が開通するより前、信越本線の普通電車や特急のあさま号で浅間山の麓を通るたびに、すごいと思ったものでした。火山灰の色だけでなく、赤や緑、いろいろな色が混じり合って、山全体がものすごい力を帯びています。秋が深まり初冠雪を迎えると、その上に純白の結晶が降り注ぎ、さらにすごいです。一つ一つが何色だとか考えることは無意味で、全体を浅間色とでも呼びたい極彩色の山肌は、他の山では考えられない強烈な個性を持っています。
活火山の浅間山には入山規制が敷かれ、本当の頂上には立ち入ることができません。歩けるのは、火口から500m離れた前掛山(2,524m)までです。
東京6時28分発の北陸新幹線「はくたか551号」に乗ると、軽井沢まではわずか69分です。新幹線はとても混雑して、大宮でかなりの立ち客が出ましたが、半分以上の人は軽井沢駅で下車していました。そこからしなの鉄道で小諸駅まで行き、タクシーで登山口のある浅間山荘へ向かいました。新幹線の通らない小諸駅のまわりは静かでした。
登山口には、(当然ながら)浅間山が活火山であるとの、「浅間山の噴火は、すべて予知できるわけではありません。」という言葉で始まる大きな注意書きがあり、「自己責任」の言葉は強調されています。しかし、歩きはじめるとすぐタンポポやスミレの花を見つけ、カラマツの上品な新緑に囲まれ、沢の水が流れる音を聞くと、活火山を歩いていることをしばし忘れます。
(登頂:2015年5月中旬) (つづく)