武甲山(1,304m) (つづき)
九十九折れの急坂を下りきると橋立川沿いの道になり、流れを横切る場所に出ました。今日は渡れますが、大雨の後は普通に歩いて渡れるかどうか、微妙なところです。5年前の11月にも同じ場所を歩いていますが、こんなに危なっかしくはありませんでした。そこには橋脚の高い、手作り感のある木製の橋がかかっていましたが、当時も既に破損のため通行止めでした。代わりに木道が置かれていましたが、その木道も5年のうちに相当朽ち果てたようです。橋げたは撤去されたのか、あるいは流されたのか、土台の部分だけが残っていました。
同じ場所には、5年前にはこの橋がありましたが、渡ることはできませんでした。
しばらく歩くと、車も通れる林道に変わります。この林道歩きが意外に長いですが、傾斜は緩く、快調に歩くことができました。見上げると紅葉の鮮やかな斜面もあります。アザミの花も咲いていました。
秩父鉄道の浦山口駅へ近づいた所に土津園(はにつえん)があります。大きなタヌキの置物が出迎えてくれます。平日の夕方4時を過ぎていましたが、中で暖かい蕎麦をいただくことができました。冷えて疲れた身体には有難いです。その後でコーヒーもご馳走になりました。薪ストーブがパチパチと心地よい音を立て、建物の中にいるのにキャンプファイヤーを思い出し、近づくと芯からあたたまる感じがします。建物はとても大きく、地元・秩父の民家を移築したそうです。釘を1本も使っていないため、「組み立てるのは簡単だったよ」とのことでした。また、こちらでは年に2回音楽会が開催されています。その2回目、アンデス音楽のコンサートは明日行われるということで、残念ながら1日違いでした。黒く古めかしい柱時計を背に、座布団が整然と敷かれた場所がありました。この広さ、天上の高さなら響きが良く、古民家の中ですからさらによく響くことでしょう。
日帰りの山の楽しさと鮮やかな紅葉を満喫した一日になりました。
(登頂:2016年11月上旬)