心が満ちる山歩き

美しい自然と、健康な身体に感謝。2019年に日本百名山を完登しました。登山と、時にはクラシック音楽や旅行のことも。

日本第3位の高峰へ 北アルプス・奥穂高岳/涸沢岳(6) 涸沢岳の頂上へ

2017年09月20日 | 北アルプス


奥穂高岳(3,190m)・涸沢岳(3,110m) (つづき)

 穂高岳山荘の朝食では、朴葉味噌が出ました。名前の通り、ホオノキの葉に味噌をのせて焼くものです。ご飯がすすみます。山小屋で土地(飛騨)の名物をいただけるのはとてもありがたいです。


 今度は穂高連峰で2番目に高い涸沢岳の頂上を目指します。穂高連峰の稜線は、どこも一筋縄ではいかない道のりばかりですが、奥穂高岳から穂高岳山荘を経て、涸沢岳までの間は、さほど難しいところなく歩くことができます。
 前穂高岳は影になって黒くそびえ、昨日以上の迫力です。うっすら見える山脈は、八ヶ岳ではないかと思います。
 ご来光を眺めたテラスと反対側の方角には笠ヶ岳、遠くには加賀の白山までのぞめます。白山への登山、白山からのご来光、白山での万歳三唱、今でも起こったこと全部、すぐ思い出すことができます。


 ジャンダルムもはっきり見えます。ギザギザの尾根はグッと落ち込み、小さく尖った西穂高岳へ至ります。あんなところによく道がついているなと思います。北穂高小屋の物資をぶらさげたヘリコプターが稜線を越えていきます。
 涸沢岳の頂上が近づくにつれて、西穂の奥には活火山の焼岳が姿を現しました。


 涸沢の山頂では北穂高岳、さらには去年登った槍ヶ岳の大展望が待っていました。昨日は雲の中だった奥穂は、今日は一点の曇りもありません。さらに黒部五郎岳、薬師岳、鷲羽岳、立山‥‥ 登ったことのある山がどんどん視界に飛び込んできます。ここに立てば、日本中のすべての山が見える気がしてきます。ずっと遠くの富士山すら小さく見えています。
 同じ岩峰でも、槍と穂高の印象はかなり違いました。穂高連峰は、奥穂・涸沢をはじめいくつものピークがあり、ピークとピークの間には必ず厳しい岩の稜線があります。


 ”~ 日本アルプス全体の中で最も美しい花崗岩の山の頂上 ~”
 (ウォルター・ウェストン著・水野勉訳『日本アルプス再訪』(平凡社ライブラリー))

 穂高岳は想像をはるかに超えた美しい山でした。山の力のすべてが露わにされているところが素晴らしいと思います。これこそ穂高の個性に紛れもありません。猛々しい穂高岳とは逆に、槍ヶ岳は洗練されているといってもいいくらいです。涸沢岳からは、その両方(槍ヶ岳と北穂高岳)を一度に眺めることができました。



 (登頂:2017年9月初旬) (つづく)



コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。