心が満ちる山歩き

美しい自然と、健康な身体に感謝。2019年に日本百名山を完登しました。登山と、時にはクラシック音楽や旅行のことも。

八ヶ岳 最高峰・赤岳から硫黄岳への縦走(4) 稜線を北上して硫黄岳へ

2021年03月07日 | 八ヶ岳


赤岳(2,899m)・横岳(2,830m)・硫黄岳(2,760m) ((3)のつづき)


 横岳にかけての稜線では梯子や鎖場が出てきます。思わず鎖を全力で握ってしまう急坂もあります。ただし、滑りやすい斜面はなかったと思います。
 赤岳から離れても、レンガのような赤色の地面が現れるところもあります。
 2週間ほど前に、北アルプスの薬師岳や黒部五郎岳といった山々に、4日かけて登ってきたばかりでした。
 八ヶ岳の眺望には、北アルプスのようなスケールの大きさはありません。しかし、小さい中に形の違う数々の山がひしめいています。山から山へと縦走するのは、箱庭から別の箱庭へ飛び移るような気分でした。
 横岳が見えてきました。八ヶ岳では赤岳の次に高い山です。盛り上がりは赤岳よりずっと小さいものの、分かりやすいピークでした。
 雲の向こうにはなだらかで捉えどころのない硫黄岳が見えています。振り返ると、阿弥陀岳が地面にしっかり土台をつくって城郭のような姿をしています。
 鎖と梯子が両方あるところを下り、はみ出しそうな巨岩の横を鉄橋でトラバースし、切り立った岩稜を進むと、突如として道幅が広くなりました。もうこれで鎖場は終わりかなと思いました。その通り、歩きやすい道に変わりました。場面の転換がはっきりした道のりでした。
 硫黄岳は本当になだらかで、どこが一番高い場所なのか分かりませんでした。大きな火口があり、巨大で垂直な岩盤が見えます。途中で噴火が終わったまま完成された地形のようでした。この爆裂火口の下には、日本で一番高い場所にある露天風呂の本沢温泉があります。
 赤岳鉱泉まで下り、昨日と同じ道を歩いて美濃戸口まで戻りました。





◆◆◆◆◆
【美濃戸から赤岳・横岳・硫黄岳の縦走】
(1日目)美濃戸口バス停8:06→美濃戸山荘9:00→赤岳鉱泉10:45~11:08→行者小屋11:54→(地蔵尾根)→赤岳天望荘13:19~13:56→赤岳14:43~14:57→赤岳天望荘15:45
(2日目)赤岳天望荘6:39→横岳8:17→硫黄岳山荘9:16~9:39→硫黄岳10:00→赤岳鉱泉11:56~12:18→美濃戸口バス停14:34
※山歩きの楽しさがつまったルートです。特に急なのは赤岳天望荘から最高峰赤岳への登りと、地蔵尾根の最上部です。天望荘から横岳にかけても急なところがあります。しかし、鎖場や梯子はとても整備されています。時計回りに、硫黄岳から歩き始めて最後に赤岳とすることもできますが、赤岳→横岳→硫黄岳の順番にする方が下りが楽だと思います。美濃戸口バス停は中央本線の茅野駅からおよそ40分で交通も便利です。バス停には八ヶ岳山荘があり、下山後すぐ入浴できるのもいいです。
 (体力●●●○○ 技術●●●●○) (登頂:2012年8月中旬) 



コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。