鈴北岳(1,182m)・御池岳(1,247m)・藤原岳(天狗岩)(1,171m) (つづき)
多彩な眺望を鈴北岳から楽しんだら、今度は鈴鹿山脈の最高峰・御池岳へ向かいます。
地図には「日本庭園」と記されていますが、日本庭園のような雰囲気は感じられませんでした。しかし、鈴北岳も御池岳も石灰岩の山で、真っ白な岩がところどころ地面から顔を出しています。クレーターに草が生えたような大小の窪みがあり、水のたまっているものとたまっていないものの両方があります。川が流れているわけでもなく、どうしてこの池は水をたたえているのだろうと思わせます。
御池岳のピークは、石灰岩がゴロゴロしているところに、山頂の標識が立てられていました。御池岳から”ボダンブチ”の方向へ歩き、地図上で「奥の平」とある地点を見下ろすのも面白いです。「奥の平」のあたりは標高線がまばらで、その通りの地形が展開されています。
鈴北岳も御池岳もそうですが、御在所岳も入道ヶ岳も鈴鹿にはユニークな山がそろっているなと思います。
藤原岳への縦走路の自然林
「頭陀ヶ平」では送電線の下を歩きます。
振り返ると、登ったばかりの「テーブル・マウンテン」御池岳が大きいです。
頂上部の独特な地形は、登ってみないと分かりません。
天狗岩に行くのは4年ぶりです。地面をびっしり埋め尽くす濃緑のバイケイソウの群落が現れると、天狗岩の近いことを知らせてくれます。同じく石灰岩の山ですが、露出している岩の数は天狗岩が最も多く、山頂を示す標識のすぐ向こうは急な角度で切れ落ちる崖であるところも、今日登った他の2座とは違うところです。
藤原岳の頂上は、一般的には天狗岩ではなく、南東にある標高1,140mの地点とされているようです。しかし、天狗岩の方が標高が高いので、今日はここで登頂とし、もう1つのピークには行きませんでした。
天狗岩からはその気配はありませんが、藤原岳ではセメント工場が稼働しています。昭和34年から38年まで、この地で製造されたセメントが、遠く黒部ダムの建設現場まで運ばれたのです。
石灰岩の乱立する緩斜面をしばらく下ると、避難小屋の藤原山荘が見えてきました。テントが6張あり、まだ設営中のものもあります。ほとんどはドーム型のテントですが、1張だけ三角錐のもありました。他に、小屋泊まりの人もいるようです。御池岳から天狗岩への縦走路ではほとんど誰ともすれ違いませんでしたが、ここまで来て少しだけゴールデンウィークらしい感じがしました。
最後の西藤原駅までは気の遠くなる下り坂が待っています。急ですが歩きやすい道で、夕暮れ時から登ろうとする人もいました。四日市コンビナートの夜景も、山頂から楽しむことができるのでしょう。
西藤原駅前に、「カンビールあります」と「まことに勝手ながら 二日酔のため臨時休業」、2つの札が同じ玄関にかかった建物があります。人の気配はせず、結局ビールは飲めませんでした。残念。
登山の後は、阿下喜駅近くの「阿下喜温泉あじさいの里」で汗を流しました。西藤原から阿下喜まで電車だけで行こうとするととても遠回りなので、3駅先の伊勢治田(いせはった)駅まで移動し、阿下喜駅まで歩きます。伊勢治田駅の駅員さんから地図をもらい、25分ほどで着きました。
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【鈴北岳・御池岳から藤原岳への縦走】
鞍掛トンネル(三重県側)9:12→鞍掛峠9:42→鈴北岳11:04~11:24→御池岳12:10~12:42→白瀬峠14:26→頭陀ヶ平14:48→天狗岩15:34~15:44→藤原山荘16:14→西藤原駅18:23
※カタクリやニリンソウなどたくさんの花々、鈴鹿ならではの独特な地形、充実した縦走路、3つの楽しみが存在する素晴らしいコースです。御池岳から天狗岩までの縦走路を歩く人は少ないようですが、登山ルートは明瞭で、迷うところはありませんでした。縦走路の途中にはアップダウンがあちこちにあるほか、最後の藤原山荘から西藤原駅までは急な下りが待ち構えています。
(体力●●●●○ 技術●●●○○)