(つづき)
今度は、細い木の1枚板を歩いて船に乗り込みます。ライフジャケットを着てほしいとのことで、橙色のジャケットをダウンの上から着ます。そういえば、愛知県側の船はライフジャケットを積んでいませんでした。
森下渡船に乗るには、事前に海津市役所へ連絡する必要があります。「完全予約制」の渡船へ乗る人はほとんどなく、私たちがこの年初めての乗客だということでした。1月に1回くらいは乗る人がいるのですかと聞いてみると、「ある月よりない月の方が多い」程度らしいです。地元住民の利用はないようです。
久し振りに乗客が現れたからというわけでもないでしょうが、職員氏は私たちを大歓迎してくれました。
船が静かに動き出します。カヤックが二艘見えます。
地形図を見ながら、この辺が愛知と岐阜の県境ですかとたずねてみると、「もう少し」との答えでした。地形図の県境と、どうしてもずれている気がしました。
それでも、間もなく県境を確かに越え、向こう岸に着きました。乗船時間は、葛木渡船よりこちらの方が短かったです。乗るときと同じ一枚板の上を歩いて降りました。職員さんもここで降り、船を見送りました。
船は上流側に去っていきました。森下渡船のやや上流側に「日原渡船」もあり、そことの共有船だといいます。
葛木渡船といい森下渡船といい、とても公共交通機関とは思えないような体験が出来て楽しかったです。遊園地の乗り物ではなく、公共の船だから楽しいのだと思います。
(つづく)