(つづき)
さきほどの職員さんはここに止めてある車で帰るそうです。今日はもしかして、この片道1回の船を出すためだけの出勤だったのでしょうか。海津温泉に泊まりますというと、送って行きましょうかと声をかけて下さったのですが、申し訳ない感じがして最初遠慮しました。歩いても20分とのこと。
「県営森下渡船 大垣建設事務所」と掲げた小屋があります。葛木渡船の乗船場にあった小屋より小さく、あちらにはあったテレビのアンテナも付いていません。長い間使われていない様子でした。
「県営」とありますが、実際の運航は岐阜県から海津市に委託されています。
反対側には、「この森下渡船は、予約制となっておりますので、乗船を希望される方は、海津市役所建設課まで御申込みください。」という看板が付いています。連絡先の電話番号の横に、「御申込みは2日前までにお願いします。」とも書いてあります。たまたま通りがかりにこの看板を見た人が市役所に連絡しても、この渡船には乗れないことになります。
この後、3月に渡船が廃止されるまでの間に、どれだけの乗客を運んだのでしょうか?
今はこの小屋もなくなっているかもしれません。一度乗っておいてよかったと思います。
温泉方面へ2,3分歩くと、先ほどの車が止まっていました。お言葉に甘えて海津温泉まで乗せてもらいました。
2005年に海津郡の3つの町が合併して海津市になりました。この辺りは海抜0メートル地帯です。名産はみかんとのこと。温泉は、昔は「100円温泉」と言われていましたが、運営主体が変わって今はもっと高くなったといいます。
部屋は8畳の和室で、2人で泊まるには十分な広さです。これで温泉に入れて1泊2食9千円は安いものです。改装してからあまり経っていないようで、とてもきれいでした。
温泉は宿泊客より地元の日帰り客の方が圧倒的に多いです。温泉は「癒しの湯」と「長寿の湯」があり、日帰り入浴料はそれぞれ500円でした(注:2015年3月現在、510円)。値上げされたとはいえ、高くはありません。「癒し」には露天風呂も含めたくさん浴槽があり、サウナも付いていますが、「長寿」には大きな内湯が1つしかありません。「癒し」の方が圧倒的に人気でした。
しかし、お湯の質は「長寿」の方がよかったと思います。これは源泉かけ流しに紛れもありません。
泉質は、「ナトリウム・カルシウム塩化物温泉」で、鉄分を含むので茶色に濁っています。同じ茶色系でも、兵庫の有馬温泉あたりよりは薄く、さっぱりした泉質でした。
改装前に比べて温泉の濁りが少なくなったとの指摘があったが、決して温泉が薄くなったわけではないですとの掲示がありました。改装前はお湯をいったん別の場所に溜めてから浴槽に流していたが、今は涌き出た温泉を直接流すので濁りが薄くなったとのことでした。正直な掲示だと思いました。
食事の前後に何回も温泉につかりました。充実した1日が終わりました。
(2011年1月初旬)
廃止の寸前で、いい時期に乗られたと思います。
森下渡船がどんな状態だったのか良く判りました。
海津温泉に宿泊されましたが、リニューアルの前は100円で入浴できました。
でも、風呂全体が汚かったです。
綺麗になって、500円。
それで好いですね。