入道ヶ岳(906m)
ゴールデンウィークに御在所岳に登り、初めて鈴鹿の魅力を発見した同じ年の11月に、大阪と名古屋に出張がありました。
再び鈴鹿の山に登る機会がやってきました。出発する前に、東京から登山靴と道具一式を、宅急便で送っておきました。
いくつかコースを計画していましたが、前日にお酒をたくさん飲んで寝坊してしまいました。近鉄名古屋駅を12時前に出発し、地下駅ではないのに海抜0メートルより低い弥富駅を過ぎ、木曽川の鉄橋を渡ると愛知県から三重県に入り、さらに長良川と揖斐川を渡ります。急行の通過する長島駅は、木曽川と長良川に挟まれた中州に位置しています。
連続して大河を越える通勤電車の中で、午後からでも登れる山を急いで探していると、入道ヶ岳という、まるで雲のような名前の山が見つかりました。
椿大神社から、杉林の中を進み、細い沢を石伝いに渉ります。
斜面が真っ赤に紅葉しているところがあります。驚くほど鮮やかな赤色でした。
小さな滝のようなところを過ぎ、急な坂を登っていくと、小さな井戸谷避難小屋が建っています。出入り口にドアはありません。
紅葉が終わって頂上が近づくと、登山道のまわりは笹原になり、振り返ると伊勢湾が素晴らしい眺望です。
アセビの群落を、トンネルをくぐるように進むと山頂でした。アセビの樹は、巨木ではありませんでしたが、老木でした。幹の色で老木と分かる感じがしました。
アセビ(馬酔木)には毒があり、馬が葉を食べると酔ったようになるというのが由来ですが、入道ヶ岳では、急坂をここまで馬が登ってはこられないだろうという場所に群落があります。
山頂はとても開放的で、小さな鳥居があります。きりっとした鎌ヶ岳と、少しなだらかに見える御在所岳が対照的です。その横にはもっとなだらかな釈迦ヶ岳が並んでいます。
あの真っ白なロープウェイの鉄塔も、はっきり分かりました。色もさることながら、61mという長さ・大きさが、遠くまで存在感を示していました。
ところどころに枝の曲がったアセビがあります。曲がった先が、地面と平行に伸びている木もあります。1,000mに満たない高さの山でも、山頂の強い風をさえぎるものはありません。
平日だからか、初めから終わりまで、自分以外には誰もいませんでした。鈴鹿で2番目に、出張の合間に登った山は、今でも印象に残っています。大きな雲のような名前の山は、大きくはありませんでしたが、見どころは多かったです。
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【井戸谷コース~入道ヶ岳~北尾根コース】
椿大神社13:22→井戸谷避難小屋14:15→入道ヶ岳15:07→北尾根避難小屋15:59→椿大神社16:44
※ところどころ急坂はあるものの、難しいところはありませんでした。井戸谷コースでは、沢を渡渉する箇所で、滑らないように注意が必要でした。頂上では、半日で登れる低山とは思えないくらい、豪快な眺望が待っていました。
(体力●●○○○ 技術●●●○○) (登頂:2013年11月下旬)