唐松岳(2,696m)・五竜岳(2,814m) (つづき)
朝は4時半に目が覚めました。
昨晩はいい天気予報だったので、日の出をどこで見ようかと考えました。五竜岳の山頂で朝を迎えるのもいいと思いましたが、山荘から最低でも1時間はかかり、岩場もある道を薄暗い中歩くのも大変そうでした。そこで、五竜山荘の裏山のような場所、白岳で待つことにしました。
今日も見事な雲海です。昨日の夜から、ほとんどそのままの状態のようです。
雲は少しも動きませんが、その上にいると思うと浮遊感があります。昨日登った唐松岳の斜面が、薄い赤色と紫色の間のような色合いになっています。
白岳の頂上に立つと、真ん中が厳めしく盛り上がった山があります。高妻山です。
その右、名前は分かりませんが、頭だけ雲から出ている山があります。まるでクジラが潮を吹いているときの姿のようです。
これは雲の”海”そのものです。ずっと遠くの富士山は、五竜から見ると絶海の孤島です。
やがて、広い雲海をあまねく照らす朝陽がゆっくり昇ってきました。
(登頂:2016年8月中旬) (つづく)