((3)のつづき) 金谷郵便局の(古い方の)風景印です。金谷はSLで有名な大井川鉄道の起点です。
南アルプスを悪沢岳・赤石岳・聖岳と縦走し、帰路に接阻峡温泉から大井川鉄道に乗った時は、金谷まで来てようやく山を下りた気持ちがしたのを覚えています。
山は南アルプスではなく富士山です。金谷は東海道五十三次の、品川から数えて24番目の宿場町でした。
葛飾北斎の富嶽三十六景にも、東海道金谷ノ不二という絵があります。「富嶽三十六景」では人が一人も出てこない絵も多い中、「東海道金谷ノ不二」は川を渡ろうとする人物(人数)の多さが際立っています。島田宿と金谷宿の間には
箱根八里は 馬でも越すが 越すに越されぬ 大井川
の歌で有名な大井川が横たわります。幕府は、大井川へ橋を架けることも、渡し舟も禁じていました。
金谷郵便局の新しい風景印は図柄がSLだけになりました。「C10 8」の型番も読み取れます。大井川鉄道には全国でただ1両、動態保存されたC10が走っています。
南アルプス・悪沢岳からの富士山 (つづく)