武甲山(1,304m) (つづき)
標高1,000m付近に、「大杉の広場」があります。
ここまでほとんど幹の細い杉でしたが、この大杉はどっしりとしてさすがに立派です。樹齢は400年~500年とのことでした。そうなると、1,000年を超える屋久島の杉は凄いと思いました。
頂上に近づくにつれて色づいた葉が多くなり、山頂で紅葉もピークを迎えました。頂上に鎮座する武甲山御嶽神社近くの木は、どれも鮮やかでした。
山頂の展望台からは秩父の山並みが眺められ、西武秩父線の4両編成の電車が飯能へ向かうのが見えます。まず見つけたいのは両神山ですが、これは木の影に隠れて全貌はのぞめません。今年の冬に雪を楽しんだ丸山や大霧山、堂平山などが見えました。登ったことのある山は簡単に見つけることができるし、今年の冬も雪の積もった秩父の山を歩きにでかけたいと思います。
見下ろすと石灰石の採掘現場が広がっています。今日は平日ですが、人の動きも機械の音も少なく静かでした。
標識の下に三角点のようなもの(正式な三角点ではなさそうです)が置かれていて、「1336-41+9」と彫られています。武甲山の標高は、昔は1,336mでした。それが、頂上の石灰石を切り崩したために1,295mまで低下し、その後新しく標高1,304mの地点が見つかったのです。
それでも、開発によってもともとの高さより32mも低くなったことになります。こんな山は日本でもここにしかないでしょう。
丸い標石には富士山の方角も示されていますが、樹林に隠れて見えませんでした。しかし1,336mだった時代には、ここから富士山が見えていたそうです。
(登頂:2016年11月初旬) (つづく)