皇海山(2,144m) (つづき)
もう一つ皇海山をユニークな存在にさせているのが、登山口までの道路「栗原川林道」です。皇海山の核心部はこの林道にあるとすら言われています。
林道の入口から登山口まで約20km、すれ違いが困難なのは言うまでもなく、ほとんどがダートです。
登山客が多いものの、釣り客やきのこ採りの人も訪れるようでした。栗原川までは、高低差で100m以上あります。この急な崖をどうやって川まで降りていくのでしょう。
途中、素掘りのトンネルが現れました。運転手さん曰く、ここでだいたい半分ですとのこと。
八ヶ岳の桜平への道や、焼石岳の道に比べれば少しましかなと思いましたが、とにかく長かったです。
皇海山の登山口には、昔集落があったということでした。昔のこととはいえ、ここに集落があったとは、とても想像もつかないような場所です。山の向こうで足尾銅山が操業しており、そこで必要な木材を調達するためでした。
林道を走る車から見た森は原生林なのに、20kmも奥に分け入ったこの場所で、人の手が入って整然としたカラマツ林が広がっていました。
山の森がカラマツ林から原生林に戻っていこうとするところで、傾斜が徐々にきつくなります。標高1,863mの「不動沢のコル」まで上がろうとするところにロープが現れました。そのロープを思わず借りたくなるほどの急な坂でした。
不動沢のコルに到着すると、鋸山の、文字通りノコギリのような稜線が姿を現しました。今日はこの方面には歩かず、ここから皇海山を目指しました。
(登頂:2017年10月初旬) (つづく)