「天地人」第23話の「天地人紀行」でも言っていましたが、上杉家の兜には特徴があります。
頸部を守るように、兜の側面から背面にかけてある「しころ」(漢字では「革毎」と書く)という兜の一部分が二重になっているのです。このようなつくりを「二段しころ」または「二重しころ」といいます。
二重のしころで首を守るという実用的なつくりは、さすが武門の上杉家という感じがします。
兼続の「愛」の前立の兜(正式には「金小札浅葱威二枚胴具足」(きんこざねあさぎおどしにまいどうぐそく)といいます)の他には、景勝公の「卍」の前立の兜(正式には「鉄黒漆塗紺糸威異製最上胴具足」(てつこくしつこんいとおどしいせいもがみどうぐそく)といいます)や謙信公の「飯綱権現」の前立の兜(正式には「色々威腹巻」(いろいろおどしはらまき)といいます)が同じ二段しころとなっています。