水上勉の『飢餓海峡』は推理小説だが、風景描写にも筆致の妙味がある。「ヒバ、杉、黒松などのいり混じった林は、上の方へゆくほどに黒々と…」「樹肌にからみついた蔦(つた)や藤の葉だけが、茶褐色に色づきはじめていた」と筆が行き届いている。
▼青森・下北半島の点描である。丹念な現地踏査の産物とばかり思っていた。違うらしい。「五万分の一の地図で書きました」と、ある対談で種を明かしていた。下北には行ったが、山奥までは行っていない。杉や松などの立ち木は、みんな地図に書かれている-と。
▼等高線を見るだけで、山の形状や眺望が目に浮かぶ。そんな地図読みの手だれも多いと聞く。文才も豊かな水上は、右脳と左脳を存分に使いこなしたに違いない。等高線を習った子供時分、地図とわが指を見比べた記憶しかない小欄には、ピンと来ない能力である。
▼地図の未来はどうなるだろう。日本版GPS(衛星利用測位システム)の本格運用が近い。先日は、測位用衛星の2号機が打ち上げられた。6年後には7基体制となり、位置情報の誤差はわずか6センチになるという。車の自動運転など暮らしやすさにつながればいい。
▼万緑の季節である。分厚い時刻表や使い古した地図を抱えて、夢想の旅に出かけるアナログ世代も多いことだろう。図面に引かれた等高線に、鳥のさえずりや小川のせせらぎを聞くことのなかった小欄も、ここは「紙の地図」に一票を投じておく。
2017.6.11 【産経抄】
<👀も> 日本版GPS(衛星利用測位システム)は6年後には7機体制となり位置情報の誤差は6センチになる、とのこと。
・昨日は人との出会いが実に多い日であった。10時に就寝して12時に目覚めて今の時刻に至る。半年ぶりである。焼酎飲んで肉を食っておなかを満たす・・・二時間ほどたてば眠気がくるだろう。
重篤な病状の老夫婦が、遠距離でそれぞれ独居生活をする。
抗がん剤は拒否、新たな転移部位を探すのは不要。
それぞれの生を全うする「覚悟」。
別れの握手をしてから、彼が合掌した。はじめて見た。これまでは、寅さん風の別れの挨拶だったが。
岡崎の山寺の次男坊と生まれて、大学卒業後、大手生命保険会社に就職して24歳で管理職となり1~2年で関東以西を転勤。日本の高度成長期に丁度合致する。
飲む、打つ、買う(?)の二~三拍子はそろっていた。その彼が合掌である。
信念、信条、心情は人それぞれであるが、彼から学ぶことは多かった。
「ミヤちゃん」と元気な声をもう一度聞きたい!
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