気の向くままに

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アジサイは長寿の花

2017-06-09 22:37:22 | 日記

 「朝の詩(うた)」の欄にアジサイをテーマにした作品が登場すると、そろそろ梅雨の季節である。今年も例外ではなかった。「紫陽花は雨の中 ただただ静かに その身を濡らす」。今月3日に掲載された、「紫陽花のような」の一節である。作者は、雨に打たれながらもけなげに咲く花に、自らの人生を重ねていた。

 ▼日本原産のアジサイは、もともと「あづさあい」と呼ばれていた。「あづ」は集まる、「さあい」は藍色を意味して、青い花が集まった様子を表している。唐代の中国の詩人、白楽天が「紫陽花」と名付けて、漢字表記が日本に伝わった。実は白楽天が愛(め)でたのは別の花だったらしいが。

 ▼アジサイはかつての日本では、それほど人気のある花ではなかった。理由の一つが、白から赤や青に次第に花の色を変えていく特徴である。「七変化」の別名があり、心変わり、無節操に通じるとされていた。

 ▼万葉集には、アジサイを例に引いて人に欺かれたことを嘆く、大伴家持(おおとものやかもち)の歌がある。明治になっても、正岡子規は、「紫陽花やきのふ(昨日)の誠けふ(今日)の嘘」と詠んでいる。アジサイのイメージがプラス方向に変わったのは、戦後になってからだ。

 ▼アジサイの色が変わるのは、細胞に老廃物がたまる、いわゆる老化が原因だという。もちろん他の植物も同じように老化する。アジサイほど目立たないだけだ。何より花の寿命が極めて長いために、色の変化をたっぷり楽しむことができるというわけだ(『アジサイはなぜ七色に変わるのか?』武田幸作著)。

 ▼「花の命はけっこう長い」とテレビCMでも歌われている。年齢を重ねても、別の魅力を発揮できる。長寿社会で、アジサイがもてはやされるのも当然かもしれない。

2017.6.9 【産経抄】

 

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http://www.sankei.com/politics/news/170609/plt1706090009-n1.html



<👀も> 今日の教室でカメラ教室の話を聞いた。

 美しい月と美しい雲の夜空である。思い出したように、カメラを取りに行ったが、その間に雲はどこかへ行ってしまった。今日は満月の日だった。


 


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