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【美容業界×SDGs】笑顔でイキイキと暮らせる人を増やしたい!ヘアドネーションの徹底解剖

2023-04-13 16:00:00 | 日記

こんにちは。
株式会社ANヘアサロンの広報スタッフです。

 

今までtumblrでブログを書いてきましたが、
より多くの方に情報をお届けしていきたいと思い、goo blogにお引越ししました。

どうぞよろしくお願いします。




さて、巷で話題の「SDGs」という言葉。

実は、株式会社ANでもとても大切にしているキーワードなんです。

 

今回は、美容業界におけるSDGsの代表的な取り組みでもある、
「ヘアドネーション」についてご紹介します。



◆ヘアドネーションとは

ヘアドネーションとは、伸ばした髪の毛を医療用ウィッグの素材として寄付するボランティア活動の一つです。

小児がんや白血病などの病気、また不慮の事故等で髪の毛を失った子ども達にとって、髪の毛がないことで「人に会うのが恥ずかしい」「学校に行きづらい」という悩みはつきものです。そこで100%人毛でつくられた医療用ウィッグを無償で提供することで、社会復帰を手助けする取り組みとなっています。

 

もともとはアメリカの団体Locks of Loveなどが行っていた活動で、日本では2009年に国内初のヘアドネーション団体、NPO法人Japan Hair Donation&Charity(JHD&C)が発足しました。現在では、そのほかにNPO法人HERO、株式会社グローウィング、つな髪プロジェクトという3つの団体が日本でヘアドネーションを主催しています。

参照:
JHD&C:https://www.jhdac.org/
NPO法人HERO:https://npo-hero.org/
株式会社グローウィング:https://www.glowing-wig.co.jp/
つな髪プロジェクト:https://www.organic-cotton-wig-assoc.jp/



そんな素晴らしい取り組みである、ヘアドネーション。

質の高いものを利用者に届けるためにも、参加する基準が決められています。

基本的な条件は、以下になります。

・31cm以上の長さがあること
・髪が完全に乾いていること

上記を満たしていれば、白髪やくせ毛、またはカラーリングやパーマでも大丈夫と言われていますが、利用団体によっても若干条件が異なります。また、軽く引っ張った程度で切れてしまうようなダメージヘアなどは不可になっているので、まずは美容師さんに相談してみるのが良いかもしれませんね。



◆ヘアドネーションをするための流れ

なかなか参加する機会がないヘアドネーション、実際にどのような流れで行われるのか体験してみましょう。

 

①ドネーションカットを行う美容室を決める

髪の毛が基準の長さ以上まで伸びたら、寄付したいドネーション団体の賛同サロンに行って髪をカットしてもらいましょう。

実は、ヘアドネーションはどこの美容室でも行えるわけではありません。行きつけの美容室でもカットしてもらえることもありますが、場合によっては迷惑がられたり、正しいやり方で進められない可能性もあります。

折角ここまで伸ばした髪の毛なので、有効活用するためにも出来る限り賛同サロンでカットする方が良いかもしれませんね。

 

②寄付する髪の長さを決める

医療用ウィッグをつくるには、切り口から毛先まで最低でも31cm以上の長さが必要です。様々な長さのウィッグがある方が、利用者の選択肢も増え表現の幅も広がるので、是非カット後のヘアスタイルとのバランスを考えながら長さを決めていくと良いですね。

ドネーションカット後の髪型は、お好みでOK。イメージチェンジの良い機会にもなるので、是非美容師さんと相談しながら決めてみてください。

 

③ドネーションカットをする

さて、いよいよドネーションカットです。

カット方法は、まず髪をいくつかの束に分けてゴムで強めに結び、結び目から1cm上の部分をカットします。束が太いと切り口が斜めになり十分な長さを確保できないことがあるようなので、ここは美容師さんの腕の見せ所ですね。

また、髪は完全に乾いた状態であることが基本条件なので、事前にシャンプーをしてはいけません。湿気が残っていることで、雑菌やカビの繁殖に繋がり髪全体がダメになってしまうためです。

 

④髪の毛の束を、さらに一つにまとめる

切った髪の毛は、髪の毛の長さにかかわらず一人ごとの毛束にまとめます。もしご友人などと一緒に送る場合は複数の人の髪の毛を混ぜないように注意してください。

毛束をまとめるときは、紐ではなくゴムを利用します。紐で結ぶと配送途中にほどけてバラバラになってしまう恐れがあるため、ゴムでしっかり結んで整えてください。

 

⑤団体ごとに必要なものを用意して、発送する

髪の毛の準備ができたら、団体ごとに必要なものを準備します。たとえばJHD&Cの場合は、寄付する人の情報や髪の毛の状態を記したドナーシートが必要となります。ドナーシートは任意記入となるため、書ける範囲で大丈夫です。

 

ヘアドネーションに参加するのに年齢制限はなく、国籍や性別も問わない誰でも参加できるものになります。また切ってから時間がたっている髪の毛でも寄付が可能なため、昔切った髪の毛を保管されている方がいれば、参加検討してみるのも良いかもしれませんね。



◆医療用ウィッグのつくられ方

世界中から集まった髪の毛。実際にどのようにウィッグが作られるのでしょうか。

 

①ヘアドネーション団体での下準備

髪の長さ、カラーリングの有無などで、送られてきた髪の毛を仕分けします。

万が一31cmに満たない髪の毛があった場合は、美容師の練習用マネキンやシャンプーなどの開発会社に「評価毛(=試作用の髪)」として販売をし、ウィッグ制作費の一部として役立てられているそうです。

 

②工場でトリートメント処理・染毛をする

まずやることは、髪の毛のキューティクルを取り除くこと。キューティクルは紙の表面にある硬いたんぱく質で、うろこ状に並んでいるため、これを取り除くことにより髪の毛を扱いやすい状態にしています。

ダメージの大きい髪の毛は、この時点で薬品により溶けてしまうケースがあるとのことです。そのためにダメージヘアは受け付けられないのですね。


その後髪の毛のpHを整える中和作業をし、染毛剤が入った釜の中に髪の毛を漬け込みます。揉みほぐしながら色を染めていき、染め上がった髪の毛は水にさらして染毛剤を洗い流していきます。

 

③髪の毛をほぐして束ねる

髪の毛が染め上がったら絡まった髪の毛をほぐしていきますが、なんとこれは手作業で行われるそうです。この段階で髪のキューティクルは取り除かれているため絡まる髪の毛もほぐれやすくなっているそう。水で何度もすすぎながらほぐすため、ここが最も根気のいる工程かもしれません。

解きほぐした髪の毛は、一定量の束にしてゴムでまとめていきます。複雑に絡まった髪の毛も、この段階できれいなストレートヘアになります。

 

④脱水乾燥、梳毛(そもう)をする

キレイにまとめられた髪の毛は、専用の脱水機で水分を取り除き、その後乾燥作業場で乾燥させます。乾燥場の天井はガラス張りとなっており、太陽光を使って乾燥させるのが特徴です。雑菌が繁殖しないようスピーディーに髪の毛をならべていきますが、ならべかたに厚みが出ると雑菌繁殖の原因ともなるため、平らに干すのがポイントです。

乾燥した髪の毛は、最後にブラッシングに似た梳毛作業を行います。表面についている汚れやごみなどを除去すると同時に、髪の毛にツヤを与えていきます。

 

⑤選毛・仕分け検品・整毛・結束作業をする

梳毛作業が終わった後は、髪の毛の状態や長さなどカテゴリー別に髪の毛を仕分ける選毛作業に入ります。これは1束1束髪の毛を見て、髪質・長さなどに合わせて専門の職人さんが仕分けていき、ここでも剣山のような道具で梳くことでツヤを出していきます。そして選毛作業が終わったら、色の違う髪の毛が混ざっていないか、髪がヨレていないか、ゴミが混入していないかなど、職人さんが一つひとつ丁寧に検品していきます。この段階までくると髪の毛にはかなりツヤが出ており、毛束のクオリティーも高まってきています。

その後整毛処理という工程で、髪の毛を整えながら細かい長さに分けて整えていき、結束作業を通して医療用ウィッグの素材として生まれ変わります。

 

⑥子ども達からウィッグ作成の申込・製作・発送

ウィッグの申し込みがあったら、頭のサイズを細かく採寸し、そのデータをもとにウィッグが製作されます。製作にあたってはメーカーの工場で職人さんが一本一本手で毛髪を植える作業をしています。

申込者はウィッグを受け取った後に、ウィッグを好きなヘアスタイルにカットし、日常生活で利用していきます。

参照:https://www.hair-doneige.com/




株式会社ANが運営するヘアサロンでも、過去にヘアドネーションを実施したことがあります。

髪の毛を寄付することを決めてから5年間髪の毛を伸ばし続けたほど、強い想いを持った男性の方で、当時立ち会った担当者も非常に感動したと話していました。

31cm以上髪の毛を伸ばすには非常に長い年月が必要だからこそ、寄付された方の想いの強さもひとしおだと思います。そんな想いがウィッグという形になり、一人でも多くの人に届いて笑顔が溢れていく世の中になることを願いつつ、株式会社ANとしても引き続き貢献していきます。

参照:【株式会社ANヘアサロンの社会活動】ヘアドネーション希望のお客様が来店されました

 

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

また次回もお楽しみに。