薔薇の香りは次のような成分の組み合わせで、香りが変化します。
バラの香りの研究 http://www.baraken.jp/learn/component.html では次のように説明しています。引用させていただきました。
バラの10ノート(香調)
ダマスク スウィート
いわゆるバラの甘い香り。フェニルエチルアルコール、ゲラニオール、シトロネロール、ネロールなどの成分の香り。
フルーティー フローラル
果物の香りやいろいろな花の香り花に特徴的な香りで、フェニルエチルアセテート、シトラール、リナロールの成分の香り。
スパイシー
クローブ(丁子)やカーネーションに多く含まれる特徴的なスパイシー様の香り。
オイゲノール、メチルオイゲノールなどの成分。
ハーバル・グリーン
リモネン、ミルセン、オシメンなどモノテルペン炭化水素類がもたらすやや薬効感のあるグリーンな香り。
ウッディ ハニー
カリオフィレン、ムーロレンなどセスキテルペン炭化水素類の木香様の香りとハチミツ様の香りを合わせた香り。
ティー バイオレット
紅茶やスミレの香りに特徴的な拡散性のあるイオノン骨格を持つ成分の香り。
フレッシュ グリーン
ヘキセノールやヘキセニルアセテートの新鮮な青葉を手で摘んだ時の香り。
ティー フェノリック
やや湿ったフェノリック(薬品的)でスパイシーさを持ったティーローズ特有の香り。
水をまいた花屋の前を通った時のような香り印象で、殆どの現代薔薇に含まれる。ジメトキシメチルベンゼン、トリメトキシベンゼンなどの香り。
ミルラ(アニス様)
ハーブのアニス(ウイキョウ)に似た苦味のある甘さに青臭さを伴った香り。イングリッシュローズにあるミルラの香りの正体であり、ほかの成分とのバランス加減で香りの嗜好が別れる。メトキシスチレン、ビニルフェノール、ジメトキシスチレンなどの香り。
ロージー ワックス
比較的揮発しやすい花ロウ由来の成分。
油脂、ワックス様のにおいがあるものの、成分自体に特徴ある香り印象を持たない。
薔薇の香りの柔らかさや保留性に影響している。
ヘキサデセン、ノナデカン、ノナデセンなどの脂肪族炭化水素、脂肪族アルデヒド、脂肪族アルコール。
薔薇の精油にはオイゲノール、ギ酸シトロネリル、ゲラニオール、酢酸ゲラニル、酢酸シトロネリル、シスローズオキシド、シトロネロール、ダマセノン、ネロール、ノナナール、ノニルアルデヒド、ピネン、ファルネソール、フェニルエチルアルコール、ミルセン、メチルオイゲノール、リナロール、リモネン、ローズオキサイド、α-テルピネオール等が含まれています。もう少し詳しくみていくことにします。
本題に入る前に、精油について次の注意事項をお話しておきます。
“精油は植物が身を守るために、或いは何かを誘引する目的で腺細胞に貯めた物質です。必ずしも人間にとって有益な物質だけとは限りません。使用上はくれぐれも気を付けて下さい。”
ローズオイルの基本成分は、シトロネロールとゲラニオールです。ネロールとファルネソールによってさらに香りが高まります。揮発性のファルネソールの含有量が多くなると花の特徴が強くなります。ネロールは、薔薇の特徴だけでなく、爽やかさを高めます。
ダマスクローズのオイルの成分には、1. シトロネロール、2. ゲラニオール、3. ネロール、4. ノンデカン、5.フェニルエチルアルコール、6. リナルール、7. レデニールアセテイト、8. シトロネニルアセテイト、9. ダナセノンがあると言われています。これらについてお話をしようと思います。https://ja.wikipedia.org/wiki を参照にさせていただきました。
最初に、精油の大部分の基本単位となるイソプレンの説明から始めようと思います。
イソプレンの骨格(C5H8) 略図
イソプレン(isoprene)は構造式CH2=C(CH3)CH=CH2の、二重結合を2つ持つ炭化水素です。上のように書き表します。普通化学記号は省略して右のように表します。イソプレンの炭素分子には左側 (頭側) から1,2,3,4と番号が付けられています。
リモネンはイソプレンが2つ、サントニンは3つ、ピマル酸は4つのイソプレン単位を含んでいます。(緑色で表しました)
イソプレン
α-サントニン(駆虫薬) ピマル酸(松ヤニの精油成分)