Cato the Elder(マルクス ポルキウス カト ケンソリウス( Marcus Porcius Cato Censorius、BC234 – BC149, 共和政ローマ期の政治家)による『農業論』(De agri cultura) から、
『次の都市は、その名前が付いた品物を産しています。ポンペイの搾油機、at Rufrius's yard at Nola、ローマの釘とバー、バケツ、油壷、水差し、ワイン壷、カプアとノーラの銅製の壺、 カプアのカンパニアンバスケットは使い勝手が良いです。 カプアの3本滑車ロープとあらゆる種類の索具、スエッサ(Suessa)とカシナム(Casinum)のローマンバスケット;・・・・これらの品はローマで手に入る最高の品です。』
プリニウスから、
『XX. しかし、ここでは、特にさまざまな形態の銅とその混合物に注目しようと思います。キプロスの銅の場合、「ビーズ状の銅」は薄い葉になり、オックスゴール(ox gal、牛の胆汁のこと。界面活性剤のはたらきがある)で染色すると、劇場の小道具である金メッキをした華破風のように見えます。そして、同じ材料を1オンスに金1/4オンスの割合で混ぜると、パイロパス(bronze、latin: pyropus)と呼ばれる火の色をした非常に薄いプレートになります。
棒銅は他の鉱山でも生産されており、同様に溶融銅も生産されています。
それらの違いは、後者はハンマーで叩いて一体にすることしかできないのに対し、延性銅とも呼ばれる棒銅は展性があり、すべてのキプロス銅がそれに当たります。
しかし、他の鉱山でも、この棒状銅と溶融銅の違いは処理によって生じます。不純物を火で取り除いて溶かすとすべての銅は棒状の銅になります。
残りの種類の銅(palm)はカンパニアでブロンズに加工されます。カンパニアで作る道具は高く評価されています。
それを準備するいくつかの方法があり、カプアでは、木炭ではなく薪の火で製錬した後、冷水を注ぎ、オーク製のふるいで洗浄します。この製錬プロセスを数回繰り返し、最後の段階でスペインの銀鉛を10ポンドから100ポンドの銅の比率で加えます。この処理でしなやかさを出し、オイルと塩を銅と青銅に加えてよい色を出します。ガンパニアンに似た青銅は、イタリアの多くの地域と地方で生産されていますが、鉛はわずか8ポンドしか追加されておらず、木材が不足しているため、木炭でさらに製錬しています。
これによって生じる違いは、ガリアで特に顕著です。ガリアでは、この精錬で金属が焦げて黒く砕けやすくなるため、赤熱した石の間で金属を製錬しています。彼らはそれをもう一度精錬するだけですが、これを数回繰り返すと品質がさらに良くなります。また、非常に寒い天候では、銅と青銅がよりよく融合するというのも気づいたことです。』
調香師、ヴィラファルネジーナ(Villa Farnesina)、ローマ
黄色いガラスフラスコ、ローマ1-100CE。 ローマの香水瓶。Getty Villa( ロサンゼルスにあるJ.ポールゲッティ美術館の1つ、古代ギリシャ、ローマ、エトルリアに特化した博物館)
ローマのカメオガラス香水フラスコ、BC25年〜25年、#305, Getty Villa
香水はギリシャからローマにいつでも入って来るので、日常の使用が過度にならないように販売は厳しく制限されていました。
香水は体に付けるだけでなく、ワインやアルコールとブレンドしてパフュームワイン、リキュール、魔法の一服、またはネクターとして飲まれました。
男性と女性はまた、媚薬として香水とハーブを使用しました。当時は濾過技術が未熟な上、アルコール類を“神々の飲み物“とするなど科学性に乏しく、精油やハーブの使い方もそれらの香りを利用するに過ぎませんでした。
ローマ人はシンプルな香水を好みました。例えばロジウム(rhodium)と薔薇、メリッサとマルメロ、水仙とクロシナス(crocinus ; 黄色いサフランの雌しべ、クチナシの果実などに含まれる。脳の機能や睡眠などに影響を与える)、ヘナの花とコスタス(costus)、ナード(nard)、ミルラをベースにしたキプロム(nardicum)などのより複雑な組成物です。
(香水の項はPLINY'S NATURAL HISTORY、10 volume edition published by Harvard University Press, Massachusetts の序文から引用させていただきました。)
これらの製品は、ローマのVictus Thuraricusと呼ばれる「お香地区」で販売されました。薔薇とナードが最も評価を受けた香水であり、香りのするハリエニシダ((針金雀児、Ulex europaeus)が一般的でした。それぞれの香りには独特の、ローズマリーは精神を強化する、琥珀とムスクは興奮するなどの特徴があります。
コスタス(costus, Gissanthe Salisb, Acinax Raf, Jacuanga T. Lestib、 Cadalvena Fenzl)https://www.bambooland.com.au/costus-pulverulentus-red-cigar
コスタスは、1753年にリンネによって属として記述されたコスタス科の多年生草本植物のグループです。フィンランドの植物学者Carl Niclas von Hellensにちなんで、以前はHelleniaとして知られていました。アジア、アフリカ、および南北アメリカの熱帯および亜熱帯地域に広がっています。コスタスはらせん状の茎によって特徴づけられ、ジンジバー(Zingiber : 真のショウガ)などの属とは異なります。したがって、属全体はしばしばスパイラルジンジャーと呼ばれ、これは特に C. barbatusを指します。
ハリエニシダ
ハリエニシダ(針金雀児、Ulex europaeus)、マメ科マメ亜科、西ヨーロッパからイタリアが原産地
薔薇の代わりにRhodinumを圧搾して安価で劣った製品を作りました。最高の香水を作るためには膨大な量の薔薇の花がいるため、純粋なローズウォーターを作るにはコストが非常にかかりました。その結果、生産者は、ロディナム(Rhodinum)※の根を圧搾し、薔薇の花びらと混ぜたのです。彼らは可能な限り安価な手段で製品を手にしようとしました。仕事を専門的かつ迅速に行うために、調香師は、非常に有能な、自由契約の、熟練した労働者に依存していました。