トレード備忘録 & MT4/MT5インディケータ及びEAの開発

日々のトレード備忘録及びMT4/MT5に関する事項

石原順(西山孝四郎)講師の新メガトレンド・ボラティリティ戦略EA完成

2021-12-10 22:17:40 | 投資

 石原講師最新の順張り戦略であるMegaTrend Follow手法に用いられているすべてのインジケータの種類とそのパラメータの解明が完了し、残す課題はその手法に沿った自動売買システム(EA)をMT4上で実現することでした。

 但し、講師が用いられているパラメータで明らかに修正を要するものが1件ありました。それは、MegaTrendFollowで用いられている移動平均(MA)の計算手法です。講師の計算方法は、SMAを採用されていますが、これではトレンド変化に対する反応が遅きに失し、エントリー遅れ・エグジット遅れが多発いたします。本EAでは計算式をLWMAに変更しております。結果、顕著な改善が見られたこと、既報告の通りです。その他のインジケータについては、講師設定どおりのパラメータといたしました。

 EAにおける追加機能としては、各別のSLとTPをピップス単位で設定すること、また、ATRを用いたトレイリングストップ(TrailingStopByATR)をともにオプションとして装備しております。

一、EAの主な構造

 トレンドの方向性判断指標としては、①MegaTrendFollowの他②ADX・StfDev、③Bollinger Bands(BB21)があります。講師は①及び②を使って、①単独運用と①②併用しての運用を取引の中心とされ、③については副次的に利用されています。

 本EAでは①MegaTrendFollow単独、②MegaTrendFollow とADX・StdDev併用、③MegaTrendFollowとBB併用、④、MegaTrendFollow、ADX・StdDev、BBの3者運用が自由に選択できるように設計されています。そのデフォルトでの設定画面は下記の通り。

1)エントリー条件(石原講師の典型取引)

 メガトレンドが買いトレンドである場合、ADX_StdDev(サブチャート上段)の方向性も買いトレンドとなった場合には、メガトレンドのポジションに加えて新しい買いポジションを取ります。メガトレンドが売りトレンドでADX_StdDevの方向性もそれに一致すれば、メガトレンドの売りポジションに加えて新しく売りポジションを持ちます。メガトレンド、ADX_StdDevいずれのシグナルの点灯が先行しても同様です。いずれにおいても、シグナルが終値で確定した場合に、次のローソク足の始値でエントリーされることになります。

2)MeMo_1取引モード手仕舞い条件

 MEMO_0モードは途転売買なので手仕舞い条件の説明はするまでもありません。MEMO_1モードの手仕舞い条件は、ADX_StdDevのシグナルに反対方向のシグナルが点灯したとき、または、MegaTrendにトレンド転換があったときのどちらか早いタイミングでMEMO_1モードのポジションが決済されます。

二、設定画面の説明 

① 設定画面では、メモ欄が3ヶ所に設けられていて、説明のように各取引モードに分類されています。設定では、MegaTrendのみによるトレードのLotsが0.1(1万通貨単位)になっています。MEMO_1のLotsは0となっていますが、これにLots数を入力するとMegaTrendとADX_StdDevの組み合わせた取引が行われます。MEMO_2の取引についても同様です。MEMO_1モードのみの取引やMEMO_2モードのみの取引は行うことができません。

② 各取引モードには、SL(損切り)とTP(利確)をピップス幅で設定することができます。

③ 各取引モードには、ATRベースのTrailing Stopが用意されています。MEMO_0の基本モードでは大変有効となります。(後述)

④ 基本取引となるMEMO_0モードでは、移動平均の期間と計算方法のパラメータを設けました。石原講師の設定を試すには、MegaTrendMA_Periodは50、MegaTrend_MAMethodは0(ゼロ)となります。

三、取引モード別過去検証(バックテスト)

 テスト通貨ペア:EURUSD 時間軸:日足 テスト期間:2021.01.01 ~ 2121.11.30

 テスト結果の中心となるMEMO_0モード単独取引とMEMO_0モードとMEMO_1モードの併用取引について詳しく見ていきます。

1)MEMO_0単独取引_トレイリングストップなし

2)MEMO_0単独取引_トレイリングストップあり

3)MEMO_0単独取引モード総括

 メガトレンドは比較的長期のトレンドを追尾するため、ATR Trailing Stopの効果は絶大で、同じトレード回数でもPFは2.38と大幅に改善されています。MEMO_0モードに限っては、トレイリングストップを常時trueとしておくことが推奨されます。

4)MEMO_0モードとMEMO_1モードの併用

 この組み合わせは講師が取引されているという基本の取引システムとなります。SL、TP、の設定も「なし」とします。

① トレイリングストップなし

② トレイリングストップあり

5)MEMO_0モードとMEMO_1モードの併用取引総括

 石原講師基本取引システムとなりますが、こちらはPF 1.65と2を下回るものの平均を上回る結果が出ています。テストのチャートをよく見ると、MEMO_0とMEMO_1のシグナルが2本別個に発生していることが確認できます。MEMO_0モードに「トレイリングストップあり」として全チック検証してみた結果はPF 2.11となり、こちらでも「トレイリングストップの効果が出ています。

6)MEMO_0モードとMEMO_2モードとの併用、及び3モード併用

 こちらの組み合わせについても、同様の検証を行いましたが、結果はMEMO_0とMEMO_1の組み合わせには及びませんでした。講師がBollinger Bands(BB)を参考指標として脇役に置かれた理由が理解できます。ADXやStdDevは相場がBBのσ± 1のバンド内にあってもシグナルを発するのに対して、BBのシグナルはバンドを外側に飛び出したときにのみシグナルを発するので、守備範囲が狭いという傾向があります。したがって、本モードを含む取引スタイルはEAのオプションとしては残しておきますが、現在の市場環境では、当面、実取引には利用は推奨されません。追加の検証または、将来の市場変化に備えたオプションとなります。

7)MEMO_1モードでのトレイリングストップ

 メガトレンドの比較的長期のトレンド周期と比較してADX_StdDevのトレンド周期は短期であるため、ATRによるトレイリングストップの効果は区々になっています。銘柄により、またはパラメータを変更することにより効果の濃淡があるものと考えます。トレーダーの検証に待ちますが、デフォルトでは「トレイリングストップなし」とします。

8)SL(損切り)及びTP(利確)の設定

 いずれの取引モ-ドにもSLとTPをピップス幅で設定することができますが、こちらも任意に設定が可能ということであり、いずれも「設定なし」をデフォルトとしています。

四、EAの公開予定

 基本的なEAは完成しましたので、提携先(MT Studio21社)との打ち合わせの後、同社HPにて近く公開を予定しております。このブログがアップされる頃には、すでにMT Studio21にて公開済みになっているかもしれません。

公開先はこちら