劇団あおきりみかん短歌部。
名古屋市内某所で、稽古後に部活動中。
それでは、読手の花村広大くんに読み上げてもらいましょう。
お題は、「恋」です。

背を向けて
一歩踏み出す
つまさきを
彩るサクラ
見えなくて
「これは…結構ガチだね」
「あ、みんな今回こういう感じ?」
「真面目にやる感じだね」
「これは、失恋の歌ですね」

「綺麗だね」
桜のことだと
知ってても
気持ちと頬は
秋に染まって
「何で上の句と下の句で春と秋を入れてしまったのかと思いますね」
「でもこれは考えこまれてると思いますよ。気持ちも『高揚』して、頬も『紅葉』するというのがかかってますね」

口喧嘩
言いたくないけど
言っちゃうの
だってわたしを
わかってほしくて
「これは多分あの人ですね」
「まぁまぁ、これは字でわかりますよね」
「字から想像しましょう」

君の声
響く夕焼け
帰り道
今日も言えずに
きっと明日こそ
「素敵」
「なかなか自分の気持ちを言い出せない恋心が感じられますね」
「情景が浮かびますね」

クリスマス
バレンタインに
たんじょうび
いわうあいては
どこにいるのか
「悲しい」
「祝ってあげたい。とにかく祝ってあげたい」
「どこにいるのかいわうあいては、と倒置法にしてもいいのに、そのままストレートに言ってますね」
「たまたま口に出したら57577になっちゃったみたいなストレートさですね」

静けさの
ふたりの残した
足あとと
少ない言葉
さらう白波
「もうちょっとかなぁ」
「なかなかいいと思いますよ」
「浜辺の情景は浮かぶんだけど、季節とか時刻とかを入れたり、俯瞰してるのか主観なのかはっきりさせると良かったかもね」
「多分ねぇ作った人も次はそうしようと思ってると思いますよ」
なかなか、みんなガチで勝つ気ですね。
「みんなこれはここで正座して聞こう!」
となんだか授業のようになって来ました。
後半へ続く!