修学旅行のパスポート取得のため、戸籍謄本を取り寄せた華蓮(かれん)。
そこには不思議な記載があった。
自分には、亡くなった年下の姉がいて、実父母の名も記録から消されている!?
自らの過去に疑問を抱いた華蓮は、隠された真実と封印された記憶を取り戻すため、旅に出る。
~ほか、六つの短編集。
本の帯に「一番古い記憶。それは、本当に私のもの?」とあり、どきっ
実は、私には子どもの時の記憶が、ほとんどないのです。
それは、育ってきた環境の中で、覚えておかないほうがいい記憶だったのかもしれないけど。
子どものころ、誰と遊んでいたの?どんな遊びをしてたの?
テレビで、どんな番組を観た?好きだった本は?・・
何も思い出せない私
華蓮が、封印された過去へ向かっていく~この物語が、まるで自分の過去を辿る物語のようでした。
こんなにもリアルで、シニカルで、やさしくて、せつなくて、哀しくて、温かい物語。
もっと読んでみたいような、でも怖いような・・。
不思議な魅力を持つ作品でした。