杏の読書日記プラス

本が好き。お昼寝が好き。こどもが好き。
読書日記から写真日記へリニューアル♪

重力ピエロ

2009-10-30 23:57:09 | 映画
昭和館で観た2本めの映画は、『重力ピエロ』です。

大学で、遺伝子学を専攻する兄・泉水(加瀬亮)と、落書き消しをしている弟・春(岡田将生)。
連続放火事件と、グラフィティアートの出現が、二人の抱える心の闇に迫ってくる。
グラフィティアートに隠された遺伝子の暗号は、何を意味するのか。
その謎が解かれるとき、二人は心を解き放つことができるのか。
「俺たちは、最強の家族だ」という父(小日向文世)の言葉が、重く、温かい。

~とても、観たかった映画を、ようやく観ることができました。
泉水(いずみ)も、春も、キャストを聞いたときから「ピッタリ~!!」と思っていました。
加瀬さんの泉水も原作のイメージに合ってましたし、父親役の小日向さんも、母親役の鈴木京香さんも、良かったです。
中でも、春を演じた岡田くん~演じるというより、春そのものという存在感でした。(かっこいい~

この映画でも、伊坂作品の特徴である会話が、そのまま生かされています。
ジョーダンバット、ピカソ、ガンジー、数々のキーワードも散りばめられています。

いい映画です。予告編だけでも、どうぞ→ 「春が二階から落ちてきた」
コメント (2)
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フィッシュストーリー

2009-10-30 23:32:50 | 映画
ちょっとレトロな映画館、小倉昭和館にて、映画を2本観てきました。
1本めは、北九州初公開の映画『フィッシュストーリー』です。

1975年~
売れないロックバンド「逆鱗」は、3枚目のアルバムを録音した後、解散する。
そのアルバムに収録された「フィッシュストーリー」という曲が、世界を救うことになるとは、メンバーはもちろん、気づいていない。

1982年~
大学生の雅史(濱田岳)は、出会ったばかりの女性に「貴方は、今夜運命の人と出会う」と予言される。
その帰り道、山道を車で走っていて、暴行事件を目撃してしまう。
気の弱い雅史は、カーステレオから流れていた「フィッシュストーリー」に背中を押されるように、木の枝を手に取るのだった。

2009年~
修学旅行中の高校生・麻美(多部未華子)は、フェリーの中で、「正義の味方になりたかった」コック(森山未來)と出会う。
コックは、「笑える話」として、親から、正義の味方になるようにと、育てられたと語る。
数分後、フェリーは、シージャックされる。

2012年~
彗星が地球に衝突しようとしている。地球滅亡まで、残された時間は5時間。
人々はどこかに避難して、静まり返った町の中で、一軒のレコードショップだけが営業している。
店主(大森南朋)は、一人の客のために、「フィッシュストーリー」をターンテーブルに乗せる。

「なあ、この曲はちゃんと誰かに届いているのかよ?」
30年以上も前~最後のレコーディングで五郎の叫んだ声が、時空を超えてつながり、いま、奇蹟を起こす。

~4つの話が交差しながら、映画は展開していき、後半は、さまざまなキーワードがつながり、鮮やかなラストへ。
このつながっていく感じは、伊坂作品ならでは。いいぞ~♪

映画と、原作とは違う設定だったりもしますが、伊坂作品の最大の魅力である、会話などは、そのまま生かされていて、にんまり~♪

おもしろい映画でした


コメント (5)
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博士の愛した数式

2009-10-28 19:08:29 | 舞台

10月12日に、青年劇場による舞台劇『博士の愛した数式』を観てきました。

80分しか記憶が持たない数学博士と、
シングルマザーとその息子の心あたたまる交流を描く

本を読んだり、映画で観たこの作品が、どんな舞台になっているのか、とても楽しみでした。

登場人物は、5人。博士と、家政婦と、息子と、夫人と、吉田さん。
家政婦と息子と博士は、2時間の舞台にほぼ立ち続け、話し続けます。
原作にはいない吉田さんも頻繁に登場して、物語の進行を助けます。
その役者さんたちのパワーには、ただただ感心してしまいました。
(しかも、この日は、昼と夜の2回公演で、夜の舞台を観たのです)

脚本・演出の福山啓子さんは、原作を読んで劇化したいと思い、熱烈な手紙を原作者の小川さんに書いたこと。
運良く舞台化の許可をもらえたものの、台本を何回買いても、ダメだしされて苦労したこと。
そんな苦境を劇団など周りの人に助けてもらうことで乗り越え、原作より人間関係の濃い作品になったこと、などを事前の交流会で語ったそうです。
そして、生の舞台を観ることは、明日の力にしていくことができると思っている、と。

舞台『博士の愛した数式』では、博士の孤独が、原作よりも、映画よりも、深く伝わってきました。
それは、役者さんの力、舞台の力だと思います。
素晴らしい舞台でした


☆おしらせ☆
10月17日の人形劇の公演の様子は、こちらです→「やあっ!」のあしあと
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上大岡トメのいつもとちがう日

2009-10-23 16:09:06 | 
上大岡トメのいつもとちがう日
上大岡 トメ
日本経済新聞出版社

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本の話は、小説を紹介することが多いのですが、今日はいつもとちがう本の紹介です。

『キッパリ』で有名になった上大岡トメさん。イラストがかわいくて、好きです。
この本は、日本経済新聞土曜版「日経プラスワン」で連載したものがベースになっています。
見開き2ページに、提案がひとつ書かれていて、すぐできそう度が五つ星で表現されています。
もちろん、イラスト入りで、とっても読みやすい

たとえば~「夏バテに勝つ!」のページでは、「暑いからこそ、ストレッチと温かいスープ」が提案され、すぐできそう度は、★★★★☆。
「電気を消してお風呂」のページでは、「カラダもぽかぽか、ロマンチックな気分」で、★★★★★。など。

「超早起きで新発見」「何十年ぶりのピアノ」「大きな声でおはよう」「新年には新しいもの」「キレイに歩こう」などなど、「いつもちがう日」へのヒントが詰まった、楽しい本です。

おすすめ度、★★★★★

で、早速まねをして、普段はメールや電話でのお願いを、直筆で郵送にしてみました。
受け取った人も、ちょっとちがう気分になっているかな~
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夏が僕を抱く

2009-10-22 22:51:37 | 
夏が僕を抱く
豊島 ミホ
祥伝社

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豊島ミホの新作短編集。

変身少女  らくだとモノレール  あさなぎ
遠回りもまだ途中  夏が僕を抱く  ストロベリーホープ

それぞれの作品に共通するのは、幼なじみという関係。
中学生になったばかりの菊南と毬男。高校生のいるかとらくだ。
大学生の有里と浪人生の岬~。
友達以上、恋人未満の関係は、そのままだったり、変わっていったり。
そんな六つの物語。

さすが豊島ミホ。10代から20代へ、この世代の女子の描き方は、ウマいな~。
豊島ミホの分身のように、生き生きと描かれてます。
でも、ちょっと作品が似てるかな。
幼なじみというと、展開がある程度読めてくるからかも。

好きだったのは、後半の2作品。どちらも20代の話です。
今後、大人女子を豊島ミホの作品で読みたい、と期待してます。

おすすめ度、★★★★☆
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