最近、今頃?といわれるかも知れないがパソコンでのビデオ予約を覚えた。良く録画するジャンルは歴史、宗教、科学、健康、…とこの辺りは今まで通り。しかし自分でも思いもよらないジャンルにも目が向き始めているようで、実はそれが「絵画」の世界。子供の頃、美術で学習した時分には全くと言って良いほど意識しなかった世界。まだまだ知らない事だらけなのだが、一枚の絵画の背景にあるもの…、時代背景、画家が受けた影響とその思想の変遷、そして人生…。忙しない日々の中で、有難くも録画した芸術番組を観ることで知った絵画の奥深さに共鳴している自分が居る。画家の心の葛藤が生み出す作品が此れほどまでに観る者を引き付けるのかと改めて感心し始めている。
岸田劉生自画像
何本か録画したビデオを観て気になったのは『岸田劉生』。自分は彼に対する知識は殆どないが、ゴッホやセザンヌの影響を受け画風も変わっていく中で日本人が描く洋画はいかにあるべきか、そして「存在(それがそこにある…という不可思議と充実感)」への問い、人間が持つ愛情との対峙。彼は自身の中でうごめくものを表現する絵画という方法(術・手段)を持ち得たのは幸せであったろうと思う。
麗子微笑
これからも絵画を通じて見える彼の深い洞察にもっと触れてみたいと思う。
道路と土手と塀