投資家の目線

投資家の目線772(小麦粉製品が品薄)

 小麦粉を使った製品が品薄になっているという。小麦粉の国内備蓄はあると政府は事態の鎮静化に動いている(『小麦粉「国内備蓄ある」 菅官房長官』 2020/5/1 時事ドットコム)。しかし物流は停滞し、小麦の輸入にも遅延が出ている(「物流、世界で停滞 海運・航空の輸送能力3割減も」 2020/5/11 日本経済新聞電子版)。

 2014年暮れから2015年にかけて、米国西海岸港湾での労使交渉長期化の影響でフライドポテトの販売が止まったことを以前書いた(「投資家の目線502(ポテト販売の停止)」)。レストラン「ガスト」を運営するすかいらーくのように航空貨物の利用で対応した企業もあったが、輸送コストが上昇し、商品を値上げしなかった業界は損失を被ったと聞く。

 貨物船の船員や港湾労働者が新型コロナウイルスに感染して荷動きが滞れば、日本は食糧危機に見舞われるだろう。同じ船舶である軍艦では新型コロナウイルスの感染者が多く発生し、港に停泊したままの船があることは報じられている。4月28日の日経夕刊のコラム「コロナは食料危機をもたらすか(十字路)」(2020/4/28 日本経済新聞 電子版)の書き手は食糧価格が下がるとみているようだが、楽観的過ぎるのではないだろうか?

 5月になって、中華人民共和国黒竜江省では田植え専用列車が運行された(『春恒例の「田植え専用列車」運行 黒竜江省』 2020/5/10 新華社)。一方、お隣の吉林省吉林市では新型コロナ対策のため列車の運行が停止された(「吉林省で新型コロナ感染増、列車の運行停止」 2020/5/14 日本経済新聞WEB版)。穀物生産に影響が出なければいいが…。

追記:アフリカ東部から南インドにかけてのバッタの大量発生による食糧不足も懸念される(「バッタ大量発生、食糧危機の恐れ ケニアなど被害深刻」 2020/5/18 日本経済新聞朝刊)。

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