遊びをせんとや

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明治・大正の作家たち~跳んでいる女性たち・その5 長谷川時雨

2023年06月28日 | 読書

「跳んでいる女性たち」の最後は、長谷川時雨(はせがわしぐれ)。
歌人・小説家・劇作家・歌舞伎作家・雑誌編集発行・・・活動範囲が広い。


「長谷川時雨」1879(明治12)年-  1941(昭和16)年 

長谷川時雨は東京日本橋生まれ。チャキチャキの江戸っ子である。
が、若い頃は苦労したようだ。
18歳で父親の決めた男と結婚したが、放蕩亭主で何年か後に離婚した。

そして22歳の時に雑誌に投稿した「うづみ火」が当選する。
また、26歳で書いた戯曲「海潮音」が新聞で当選、坪内逍遥に認められ師事。
「明治美人伝」などを書いて評判になる。
著者が彼女以外の人だったら、長谷川時雨も描かれる側になっただろう。

ネットで情報を探していたら、姉妹と撮影した写真があった。

左から春子(16)・時雨(32)・松子(30)、春子は画家、松子は?

話を端折って進める。
37歳、時雨は小説家の三上於菟吉(みかみおときち)と出会う。
彼は時雨より12歳年下、しかも、売れない作家だった。


将棋を指す時雨と三上於菟吉1891(明治24)-1944(昭和19) 

彼と同棲した時雨は、何とかして彼を売り出そうと頑張る。
純文学志望だった於菟吉は、大衆小説を書くようになって大いに売れた。
その頃、文芸春秋社の菊池寛により「直木賞」が制定、於菟吉も審査員になった。

直木三十五1891(明治24)-1934(昭和09)

この直木三十五が、長谷川時雨のことを書いている。タイヘン、面白い!

冒頭、女性だけの文芸誌「女人芸術」のことが書いてあるが、これは次回に。
ついでに三十五の名前の由来などを書いたものもあるので、それも紹介。
映画との関りに触れているが、彼の原作による映画は50本くらいあるようだ。
また、妻の年齢は彼より12歳年上になっている。彼の戯れか?

さて、時雨は、三十五に返歌?らしきものを書いている。

於菟吉をのけ者にしたわけではない。二人の共作もある。

初めて知ったが、於菟吉は探偵ホームズものも何話か翻訳している。
また、彼の一番売れた作品のポスター。


この「雪之丞変化」も星空文庫で読むことが出来る。
読み出したら止まらなくなりそうなので、今日はこれでお終い。
明日またお会いしましょう。

[Rosey]

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