「跳んでいる女性たち」の最後は、長谷川時雨(はせがわしぐれ)。
歌人・小説家・劇作家・歌舞伎作家・雑誌編集発行・・・活動範囲が広い。
「長谷川時雨」1879(明治12)年- 1941(昭和16)年
長谷川時雨は東京日本橋生まれ。チャキチャキの江戸っ子である。
が、若い頃は苦労したようだ。
18歳で父親の決めた男と結婚したが、放蕩亭主で何年か後に離婚した。
そして22歳の時に雑誌に投稿した「うづみ火」が当選する。
また、26歳で書いた戯曲「海潮音」が新聞で当選、坪内逍遥に認められ師事。
「明治美人伝」などを書いて評判になる。
著者が彼女以外の人だったら、長谷川時雨も描かれる側になっただろう。
ネットで情報を探していたら、姉妹と撮影した写真があった。
左から春子(16)・時雨(32)・松子(30)、春子は画家、松子は?
話を端折って進める。
37歳、時雨は小説家の三上於菟吉(みかみおときち)と出会う。
彼は時雨より12歳年下、しかも、売れない作家だった。
将棋を指す時雨と三上於菟吉1891(明治24)-1944(昭和19)
彼と同棲した時雨は、何とかして彼を売り出そうと頑張る。
純文学志望だった於菟吉は、大衆小説を書くようになって大いに売れた。
その頃、文芸春秋社の菊池寛により「直木賞」が制定、於菟吉も審査員になった。
直木三十五1891(明治24)-1934(昭和09)
この直木三十五が、長谷川時雨のことを書いている。タイヘン、面白い!
冒頭、女性だけの文芸誌「女人芸術」のことが書いてあるが、これは次回に。
ついでに三十五の名前の由来などを書いたものもあるので、それも紹介。
映画との関りに触れているが、彼の原作による映画は50本くらいあるようだ。
また、妻の年齢は彼より12歳年上になっている。彼の戯れか?
さて、時雨は、三十五に返歌?らしきものを書いている。
於菟吉をのけ者にしたわけではない。二人の共作もある。
初めて知ったが、於菟吉は探偵ホームズものも何話か翻訳している。
また、彼の一番売れた作品のポスター。
この「雪之丞変化」も星空文庫で読むことが出来る。
読み出したら止まらなくなりそうなので、今日はこれでお終い。
明日またお会いしましょう。
[Rosey]