1972(昭和47)年9月5日
パレスチナ・ゲリラによるテロ事件発生
この日予定されていた野外劇「走れメロス」公演は中止となった
【事件概略】
早朝 選手村のイスラエル選手団宿舎に7人のパレスチナ・ゲリラが侵入
抵抗した選手団の2人を射殺 9人を人質にして宿舎に立てこもった
ゲリラは イスラエルに捕虜になっているゲリラ仲間たちの解放を要求
イスラエル政府は拒否し続け 諦めたゲリラは国外脱出の飛行機を要求
ゲリラは人質と共にミュンヘン郊外の空軍基地へバスで移動
基地へ着いたゲリラたちの隙を狙ってミュンヘン警察が銃撃戦を強行
人質9人と警官1人がゲリラに殺され ゲリラは4人死亡 1人自決 2人投降
9月6日
オリンピック組織委員会は競技の続行と芸術行事の中止を決定
招待された6か国の劇団は抗議デモを実施 参加要請された寺山は拒否
「デモなんかムダ 組織委の金で買った芝居の道具類を全部燃やそう
抗議のレクイエムだ」 この提案は他の劇団から拒否された
そのことを聞いた独シュピーゲル紙の記者が言う
「面白いが それをやったらドイツの機動隊に全員が逮捕されるかも」
寺山は団員を集めて計画を話す 場合によっては逮捕もありうるかも・・・
一人としてやめようと言い出す者もなく やろう!
団員は野外劇場の設備をすべて取り壊す
野外劇場は古代ギリシャの円形コロシアムの姿に戻った
そこに公演で使った大道具・小道具をすべて集め 火を放って燃やした
寺山が書いた「走れメロス」の脚本は 反オリンピック精神で書かれたらしい
その野外劇(計8回公演)が多くの観客を集め 絶賛されたのも皮肉な話・・・
脚本や映像ををネットで探したが見つからなかった
最後に1967年の寺山へのインタビュー動画を見て今日は終わり
それでは明日またお会いしましょう
[Rosey]