尊敬する師匠のベルリンの大仕事、それは、歯科医院の内装でした。
歯科医院の床の間
床の間の窓
個室
個室は入院用で、何部屋かありました。
個室の収納
飾り棚
箱庭(師匠の友人、庭師のキャベツさん製作)
(完成前なのでフローリングに段ボール敷きっぱなしですが・・・)
当時、研修仲間に借りた谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」。
日本の良さがいっぱい書かれていました。
ほとんど忘れている日本の美、というよりは、むしろ、知らなかった日本の美。
西洋と対比していて、興味深くて一気に読めました。
歯科医院などの病院を、砂壁の日本座敷にしたら患者の神経が休まるんじゃないか、と書かれていました。
なんてタイムリー。
昭和8年にそんなことを考えた人がいて、私が本を読んだ2005年、ちょうど自分の身近な所でそんなことをやっている人達がいて、それも異国で。なんだか、面白いと思いました。
ベルリンの歯科医院は、私の帰国後に完成しました。
師匠にしてもキャベツさんにしても、和のセンスが素晴らしいと思います。
ドイツでこんな面白い仕事を間近で見ることができて、私は幸せ者です。
この歯科医院の受付カウンターの製作をもって、私は無事、研修を修了できました。