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(旧:アヴァンの物語の館)ギリシア神話的世界観で人魚ナオミとヴァンパイアのマクミラが魔性たちと戦うファンタジー的SF小説

第三部闘龍孔明篇 第10章—4 ウェルカム・ツー・モータウン!

2019-02-01 00:00:00 | 私が作家・芸術家・芸人

「赤龍のおじいちゃんからエアメールをもらったはずね。祭青龍氏とヌーヴェルヴァーグ財団の間には昔から深いつながりがあるの。今はくわしい話をしている時間はたしかにない。だから単刀直入に言わせてもらう。わたしたちもテーマパークの支配権を取り戻さなくてはいけない事情がある。あなたとは一時休戦協定を結んで、今回のところは共同戦線を張りましょう。だけど、その前に『光のトンネル』を一周してきてもらいたいの」
「光のトンネル?」
「この条件はわたしからではなく、祭青龍氏からよ。あなたが『光のトンネル』を無事一周して来られれば、わたしたちと一緒にテーマパークにお連れするわ。感謝してほしいものね。トラムはAコンコースだけしか走らないから、特別にAからBとCを経由してAに戻ってくる特別シャトルを走らせてあげる」
「そんなことができるの?」
「ヌーヴェルヴァーグの財力がどれだけあると思っているの? 今回は、特に祭氏からの依頼もあるし、この程度は朝飯前。フッフッフッ、楽しみにしているがよい」
「なんだか楽しそうな話ね」ナオミはもう興奮と期待に胸を弾ませている。
「ウエルカム・ツー・モータウン!」マクミラがめずらしくはしゃいで言った。
 ナオミとケイティは、コンコースにすべりこんできたシャトルカーゴに乗り込んだ。

     

 モータウンとは、自動車を意味するモーターと街を意味するタウンを組み合わせて作られた造語である。デトロイトは、かつての世界最大企業GMを初めとする、Gig 3と呼ばれるアメリカの大手自動車企業が本社を持つと同時に、音楽の街でもあった。
 デトロイトが生んだ「モータウンサウンド」は、世界中で大ヒットを記録した。
 スティービー・ワンダー、ダイアナ・ロス、80年代最大のスター、マイケル・ジャクソンもジャクソンズ時代に、モータウンからデビューしている。
 ナオミとケイティがトラムに乗り込むと、海賊版込みで1億1千万枚というギネスブック認定の世界最高売り上げを記録したLP、マイケル・ジャクソンの「スリラー」のイントロが流れ出した。
 ジャッジャーン、ジャジャジャン・・・・・・

     
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