「赤龍のおじいちゃんからエアメールをもらったはずね。祭青龍氏とヌーヴェルヴァーグ財団の間には昔から深いつながりがあるの。今はくわしい話をしている時間はたしかにない。だから単刀直入に言わせてもらう。わたしたちもテーマパークの支配権を取り戻さなくてはいけない事情がある。あなたとは一時休戦協定を結んで、今回のところは共同戦線を張りましょう。だけど、その前に『光のトンネル』を一周してきてもらいたいの」
「光のトンネル?」
「この条件はわたしからではなく、祭青龍氏からよ。あなたが『光のトンネル』を無事一周して来られれば、わたしたちと一緒にテーマパークにお連れするわ。感謝してほしいものね。トラムはAコンコースだけしか走らないから、特別にAからBとCを経由してAに戻ってくる特別シャトルを走らせてあげる」
「そんなことができるの?」
「ヌーヴェルヴァーグの財力がどれだけあると思っているの? 今回は、特に祭氏からの依頼もあるし、この程度は朝飯前。フッフッフッ、楽しみにしているがよい」
「なんだか楽しそうな話ね」ナオミはもう興奮と期待に胸を弾ませている。
「ウエルカム・ツー・モータウン!」マクミラがめずらしくはしゃいで言った。
ナオミとケイティは、コンコースにすべりこんできたシャトルカーゴに乗り込んだ。
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モータウンとは、自動車を意味するモーターと街を意味するタウンを組み合わせて作られた造語である。デトロイトは、かつての世界最大企業GMを初めとする、Gig 3と呼ばれるアメリカの大手自動車企業が本社を持つと同時に、音楽の街でもあった。
デトロイトが生んだ「モータウンサウンド」は、世界中で大ヒットを記録した。
スティービー・ワンダー、ダイアナ・ロス、80年代最大のスター、マイケル・ジャクソンもジャクソンズ時代に、モータウンからデビューしている。
ナオミとケイティがトラムに乗り込むと、海賊版込みで1億1千万枚というギネスブック認定の世界最高売り上げを記録したLP、マイケル・ジャクソンの「スリラー」のイントロが流れ出した。
ジャッジャーン、ジャジャジャン・・・・・・
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