通称「デトロイト・メトロ」と呼ばれるこの空港は、年間利用者三千万人を超えるアメリカでも有数の空港の一である。6つの主要滑走路に158のゲートを有し、デルタとスピリット航空のハブ空港となっている。2つのターミナルは、国際線の乗り入れと国内線の乗り換えでつねにごった返しているが、一つはエドワード・H・マクナマラ・ターミナル、もうひとつはノース・ターミナルである。
エドワード・H・マクナマラ・ターミナルには、3つのコンコースがあり、Aコンコースには南北1.6kmの直線状で中央にフードコートと旅客を搬送するトラムがある。トラムは、北、中央、南の3駅を持っており、約3分で結んでいる。AからB, Cコンコースへは、照明が時間とともに様々に変化する「光のトンネル」で連絡されている。
赤、青、黄、緑、橙等の七色のような灯りがめまぐるしく変化し、まるで虹の回廊といった雰囲気を醸し出している。
特別シャトルに入った瞬間、ナオミは殺気を感じた。
なんだろう、これ? 隙のない殺気なのに、なんだかなつかしい。
このオーラは、たしか・・・・・・
あの時は、一匹の真紅の龍が3匹の神獣たちと演武をしていた。しなやかな肢体の銀狼。背後が見えないほど巨大な雷獣。そして所狭しと飛び回る金色の鷲。
はるか昔、ネプチュヌス宮殿でゆうゆうと移動する海龍を見た記憶があるが、これほど見事なたてがみ、背びれ、鱗を見たことがなかった。落ち着きを称えたブラウンの瞳と裏腹に数本の角と爪はするどくとがり、掌中には龍の王族だけが持つ御霊があった。
振り返った龍の目が、ナオミのところで止まった。幻視からさめると、そこにはドラゴンの刺繍が入ったチャイナ服に身をつつんだ男がいた。
だが、なつかしさに浸っている暇はなかった。
左側からゆらりと飛びけりが襲ってきたが、かろうじて交わすことができた。次に、右から同じように飛びけりが襲ってきた。
これは、孔明と彼の祖父だけが使いこなせるという龍神拳。
だが、微妙に違う。まるで夢遊病者のようなゆらりとして動き。
ナオミは、腕をまず交差させると、次にゆっくりと右腕を立て左腕を腰だめにして防御の姿勢を取った。
今度も幻視が始まった。
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