エリザベス女王の女官を長年勤め、ウィリアム皇太子のゴッドマザーでもある人物がレセプションで人種差別的な発言を繰り返していたことが明らかになった。王室はすでに謝罪声明を発表している。
By Yoko Nagasaka2022/11/30
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ソフィー妃(Sophie, Countess of Wessex)、マティルド王妃(Queen Mathilde of Belgium)、カミラ王妃(Camilla, Queen Consort)、ラーニア王妃(Queen Rania of Jordan)、メアリー皇太子妃(Crown Princess Mary of Denmark)、ファティマ・マーダ・ビオ(Fatima Maada Bio)、オレナ・ゼレンスカ(Olena Zelenska)WPA PoolGetty Images
現地時間11月29日(火)にバッキンガム宮殿でカミラ王妃がレセプションを開催した。王妃が以前から取り組んでいる女性に対する暴力撲滅活動を広めるもので、ヨルダンのラーニア王妃、デンマークのメアリー皇太子妃、ベルギーのマティルド王妃、シエラレオネ共和国のファティマ・マーダ・ビオ大統領夫人、ウクライナのオレナ・ゼレンスカ大統領夫人らも出席していた。
レセプション後、参加者の1人で活動家のンゴジ・フラニが会場で人種差別を受けたことを告発した。彼女はシスタースペースという組織のディレクターであり、DVを初めとする暴力に苦しむ女性たちを支援している。
フラニによるとレディ・スーザン・ハッセーが人種に関する質問を執拗にしてきたという。レディ・スーザンはエリザベス女王のお付きの女官を60年以上務め、現在はチャールズ国王の側近の1人である。またウィリアム皇太子のゴッドマザーでもありカミラ王妃とも親しい。
フラニはSNSでレディ・スーザンとの会話をSNSに詳細に残している。
レディ・スーザンはフラニに会うなり、彼女の胸の名札にかかっていた髪を手でどかして名前を確認。そしてどこから来たのか質問した。以下がそのやりとりである。
レディ・スーザン(以下S)「どこから来たのですか?」
フラニ(以下F)「シスタースペースです」
S 「いいえ、どこから来たのですか?」
F 「ハックニーを拠点にしています」
S 「いいえ、アフリカのどこから来たのですか?」
F 「わかりません。(祖先が)記録を残していないので」
S 「自分がどこの出身かはわかるはずです。私はフランスで過ごしました。あなたはどこから来たのですか?」
F 「ここ、イギリスです」
S 「いいえ、国籍は?」
F 「ここで生まれたイギリス人です」
S 「いいえ、本当はどこから来たの? あなた方はどこから来たのですか?」
F 「レディ、『あなた方』とはどういう意味ですか?」
S 「どこの国から来たのか、言わせるのは難しいようね。そもそもどこから来たのですか?」
F 「レディ! 私の国籍はイギリスです。両親が50年代にイギリスに……」
S 「やはり最後はそこにたどり着くのね。あなたはカリブ人ね!」
F 「いいえ、レディ。私はアフリカとカリブのルーツを持っていますがイギリス人です」
S 「では出身は……」
フラニは新聞「ミラー」にこう語っている。「この差別は長時間続いた。まるで尋問だった。数秒ではなく、数分に渡って行われた。
(その場にいた)3人の黒人女性は不法侵入者であり、イギリス人として歓迎されていない、受け入れられていないと感じた」。
また「レセプションのことはぼんやりとしか覚えていない」とも。レセプションが始まってすぐに受けたこの質問がショックだったと示唆している。
英国王室は翌日声明を発表した。「私たちはこの事件を極めて深刻に受け止め、全容を解明するためにただちに調査した」「受け入れ難く、まったく遺憾な発言があった」。
王室はレディ・スーザンの名前は出していないが「関係者は傷つけたことを謝罪し、ただちに名誉職から身を引くことを表明している。王室のすべてのメンバーは常に多様性と包括性のポリシーを守ることが求められていると再認識している」。
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レディ・スーザン・ハッセー(Lady Susan Hussey)Max Mumby/IndigoGetty Images
ウィリアム皇太子のスポークスパーソンも声明を発表した。「(フラニの体験したことを)聞いて非常に残念である。
私たちの社会に人種差別が存在する余地はない。これらのコメントは容認できるものではなく、関係者が辞任したのは正しいことだ」。
ウィリアム皇太子はメーガン妃がオプラ・ウィンフリーのインタビューで「王室内に人種差別があった」と告発したとき「我々は人種差別をするような家族ではない」と強く否定していた。
今回の事件はこれからチャールズ国王と新たな英国王室を作っていくカミラ王妃にとっても、今週3日間にわたってアメリカを外遊するウィリアム皇太子にとっても打撃になりそうだ。
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エリザベス女王が亡くなり、ウェールズ公妃となったキャサリン皇太子妃。公妃たちに代々受け継がれてきたブローチを初めて着用した。
By ELLEgirl編集部2022/11/24
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ウィリアム皇太子(William, the Prince of Wales)、キャサリン皇太子妃(Catherine, Princess of Wales)Samir HusseinGetty Images
今週、南アフリカのシリル・ラマポーザ大統領の公式訪問を受けた英国王室。現地時間11月22日(火)にはウィリアム皇太子とキャサリン皇太子妃が大統領と対面した。
この日のキャサリン皇太子妃は「エミリア ウィックステッド」のコートドレスに「ジェーン・テイラー」のハット、「マルベリー」のバッグ、そしてダイアナ元妃から受け継いだパールのイヤリングという装いだった。イヤリングも注目を集めたけれど、それ以上に目を引いたのが胸についたブローチ。これは「プリンセス・オブ・ウェールズ・フェザー・ブローチ」と呼ばれるものでウェールズ公妃、つまり皇太子妃に代々受け継がれている。
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このブローチは元々エドワード7世国王の王妃だったアレクサンドラ・オブ・デンマークに結婚祝いとして1863年に贈られたもの。
結婚当時エドワード7世はウェールズ公、アレクサンドラ・オブ・デンマークはウェールズ公妃だったのでブローチもこう呼ばれるようになった。
王冠に3枚の羽根があしらわれたデザインは14世紀から続くウェールズ公の徽章にインスピレーションを得たものである。
ブローチはその後王室内で受け継がれていった。ダイアナ元妃は1981年、チャールズ皇太子(当時)と結婚したとき、チャールズ皇太子の祖母に当たるエリザベス王太后からお祝いとして受け取った。
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ダイアナ元妃(Diana, Princess of Wales)Anwar HusseinGetty Images
ダイアナ元妃はこのブローチをペンダントヘッドに。1986年にオーストリアを訪れたときもダイヤモンドのついたチェーンにつけ、ネックレスとして着用していた。また先端のエメラルドは着脱可能。ダイアナ元妃は外して着用することもあった。
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ダイアナ元妃(Diana, Princess of Wales)Tim GrahamGetty Images
その後はカミラ王妃のもとへ。王妃は再びこれをブローチにしエメラルドをつけた本来の形で着用することが多かった。キャサリン皇太子妃もこれに倣ったよう。
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カミラ王妃(Camilla, Queen Consort)Tim GrahamGetty Images
同じジュエリーでもつける人やつけ方によって見え方も違うもの。ちなみにこの日の夜は大統領をもてなす公式晩餐会が行われ、キャサリン皇太子妃はダイアナ元妃が愛した「ケンブリッジ・ラバーズ・ノット・ティアラ」をつけて出席した。
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キャサリン皇太子妃(Catherine, Princess of Wales)Chris JacksonGetty Images
エリザベス女王のジュエリーの多くは皇太子妃が受け継ぐと見られている。これから公の場所でどのように披露するのか楽しみにしたい。
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ロバート・F・ケネディ人権賞の「希望のさざなみ賞」を受賞することが決まっているハリー王子とメーガン妃。主催者側が授与理由を説明した。
By ELLEgirl編集部2022/11/22
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ハリー王子(Prince Harry)、メーガン妃(Meghan, Duchess of Sussex)picture allianceGetty Images
先月ジョン・F・ケネディ元大統領の弟ロバート・F・ケネディの人権財団が主催するロバート・F・ケネディ人権賞の「希望のさざなみ(Ripple of Hope)」賞を受賞することが決まったハリー王子とメーガン妃。
この賞はこれまでバラク・オバマ元大統領やビル・クリントン元大統領、環境問題に取り組んでいるアル・ゴア元副大統領、南アフリカでアパルトヘイト撲滅のために闘った活動家デズモンド・ツツ司祭らが受賞してきた。
歴史家や専門家からは2人に賞を与えることに対する批判の声が上がっている。「過去にこの賞を受賞した人を見てみたら王子と妃が何をしたのかと問わざるを得ない」と声が続出、ケネディ家の研究家でピューリッツァー賞を受賞しているデヴィッド・ナソー教授は「この上なく馬鹿げていて、あからさまに非常識」と新聞「デイリーメール」に語るほど。
その声が耳に届いたのかロバート・F・ケネディの娘で賞を主催する財団のケリー・ケネディが授与理由をスペインのニュースサイト「El Confidencial」に語った。
ケリーは父のロバート・F・ケネディが「自分たちが維持している権力構造について同僚や家族、地域社会に問いかける道徳的な勇気が重要」だと考えていたと説明、「これこそがハリー王子とメーガン妃のやったこと」だと語っている。
「2人は英国で最も古い歴史を持つ機構の中で『自分達のやっていることは間違っている。王室という機構の中に制度的な人種差別があってはいけない。メンタルヘルスに関する誤解をそのままにしてはいけない』と言ったのです。
そのようなことをすれば自分たちが結果的に仲間はずれになることはわかっていました。それでも彼らは権威に疑問を持たなくては生きていけないと考え、それを行動に移したのです」。それが「英雄的」だとケリーは話している。
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メーガン妃(Meghan, Duchess of Sussex)、ハリー王子(Prince Harry)Karwai TangGetty Images
彼女は専門家や世論を納得させるために説明したと見られているが、この発言が新たな物議を醸している。
SNSには「制度的な人種差別ってそういうこと?」と疑問を投げかける書き込みや「警察や司法による”制度的な人種差別”によって命を奪われている人もいる。そのような差別と闘っている人を評価するべき」と指摘するコメントも浮上している。
ちなみに王子と妃に賞を授与することに対してはケネディ家からも疑問の声が。ケリー・ケネディの兄、ロバート・F・ケネディ・ジュニアは「困惑する人選だ」と新聞「デイリーメール」に語っている。
専門家からもマスコミからも批判を浴び、身内すら戸惑わせている今回の結果。授賞式のスピーチで2人が彼らを納得させることができるのか、注目が集まっている。
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『ザ・クラウン』シーズン5で、ダイアナ妃があの有名なドレスを着用したシーンが再現
By Rachel Tashjian 2022/11/26
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『ザ・クラウン』シーズン5は、決してダイアナ妃を支持していない。一方、評価が一定しないチャールズ皇太子は、世界でもっともハンサムな俳優の一人、ドミニク・ウェストによって、たまたま間違った女性と結婚してしまっただけの、決断力があって意識の高い男性に描かれている。
エピソード5はこれがさらに極端になり、ダイアナ妃は長年不当な扱いを受けた女性だというイメージを持って育ったミレニアル世代やZ世代の視聴者は特に当惑するだろう。
ここでのチャールズ皇太子は、君主制は近代化が遅れていると考える反抗分子だ。彼がインタビューで不倫を明かしたことは有名だが、このエピソードではそれではなく、宗教に賢明な考え方を持っていることを強調。
彼とカミラがとても親密な関係に描かれ、何となく2人のことを好きにならずにはいられないほどだ(脚本家のピーター・モーガンは例の「タンパックス・ゲート(チャールズがカミラに電話でタンポンになりたいと言ったのが盗聴された事件)」すら、どこかかわいらしいものにしてしまった)。
このエピソードの終わりで、彼は多文化のバックグラウンドを持つイギリスの若者たちに向かって、自分もアウトサイダーであるのはどんな気持ちかわかるため、恵まれない若者を支援する慈善組織「The Prince’s Trust」を設立したのだと語りかける。
エンドロールでは、なんとチャールズ皇太子が慈善組織の恩恵を受けた若者と一緒にブレイクダンスを踊る映像にまじって、この組織の説明が入るのだ。
『ザ・クラウン』がフィクションかどうかなどという心配はもうしなくていい。なぜNetflixはイギリスの君主制のPRをしているのだろうか? その一方で、ダイアナ妃のセリフはひとつもない。
ダイアナ妃はいつだって自分の感情を表すのに言葉など必要としなかった。それはファッションがあったから。このエピソードでの彼女の役割は、“リベンジドレス”と呼ばれた彼女のもっとも有名なルックに集約されている。
ダイアナ妃には有名なドレスがたくさんある。ホワイトハウスでジョン・トラボルタと踊った時に着用したビクター・エーデルスタインのミッドナイトブルーのベルベットドレス。チャールズ皇太子のガールフレンドだと世の中にお披露目された直後に撮られた写真で、たまたま脚が透けて見えてしまったスカート。ロゴ入りスウェットとサイクリングショーツなどはその一例だ。
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ANWAR HUSSEINGetty Images
だがインターネットの時代になり、不当な扱いを受けた女性が再評価され、歴史が絶えず書き換えられている今、ダイアナ妃のもっとも有名なルックは、クリスティーナ・スタンボリアンの黒いカクテルドレスになった。チャールズ皇太子がテレビのインタビューで、「(カミラとの)不倫は、ダイアナとの結婚が修復不可能なほど壊れてからのことだ」と語った晩に、彼女がサーペンタイン・ギャラリーのガラで着た、あのドレスだ。
チャールズ皇太子のインタビューは、ダイアナ妃が非常に恥ずかしい思いをする可能性のあるものだった。だが、彼女は逆にこれをチャンスと捉え、驚くほどエレガントでありながら、裾が非対称になった黒のオフショルダードレスを選んだ。彼女が動くと、小さなシフォンのトレインがまるで煙が渦を巻いて誘いかけるように動いた。
パールのチョーカーとダイヤモンドのブレスレットをアクセサリーにして、赤いネイルを塗った手でホストと握手しようと歩いていく彼女はキラキラ輝いていた。
ダイアナ妃はこの数年前にドレスを購入していたが、当初ガラに着て行く予定だったドレスがリークされたので、前夜に急遽変更したのだという。
このドレスが素晴らしいのは、そのエレガンスだ。シフォン素材、非対称のヘムライン、小さな袖。襟ぐりが深く、肩だけでなく胸元をあらわにしていてセクシー。報復を告げるファッションとして、完璧に洗練されている。安っぽいところやケチなところがひとつもない。
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Tim GrahamGetty Images
『ザ・クラウン』では、ほぼそっくりコピーしたようにドレスがうまく作られている。だが正直、その扱い方を間違っているような、女性差別にすら感じた。その晩、チャールズのインタビューを見て涙を流したダイアナは、ドレスのラックに突撃してガーメントバッグをいくつか選ぶ。
お付きのドレッサー(着付け師)がパールのチョーカーを留める時の、彼女の何かを決意したようなまなざし。車の後部座席で気持ちを引き締め、彼女は世界に新たな自分をさらけ出す覚悟を決める。そのシーンに、翌日にはこれが彼女の“リベンジドレス”だと新聞に書かれたというナレーションがかぶさる。実際は女性のプライドを輝かしく表現した行為だったのだが、そうではなく、ただのささやかな反逆の道具に終わっている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6f/ff/11c15697aa922d5c531da3383f7670ba.jpg)
あの特別な日に、あの特別なドレスを着るという選択をするには、ある種鉄面皮な内面が必要だ。だが、このドラマはそれを理解するほど俗っぽくはないということか。となると、このドラマの問題はどのくらい真実に近いかということではなく、さげすまれた女性の根本にある真実を、十分クリエイティブに捉えているかどうかということなのではないだろうか。
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