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Audio-technica AT-HA2002 AT-HA5000ANV 試聴メモ

2020年11月24日 | 試聴メモ
忙しい人のための三行まとめ
■ HA2002の色付け強く音場がやや狭く音場性能はHA5000に及ばない、W2002/W1000には最適
■ HA5000はW5000のためにチューニング、他のオーテク木ヘッドホンにも相性が良い
■ HA5000ANVの音響性能が一番良い、より均衡で現代風ですっきり、W3000ANV、W1000XとADシリーズに最適














AT-HA2002 + W1000/W3000ANV感想

写真多め感想少なめなのでレビューとは呼べない試聴感想です
HA2002は家で撮影して数時間聴いてたですが僕が代わりに購入した友達の物
一応「機能テスト」ということでW1000とW3000ANVに繋いで聞きました
当時、メインDACのFOSTEX HP-A8以外はFiio E17しか持ってなかったのでE17で繋いだ
ノートPCから光デジタル(192KHz/24Bitアップサンプリング)を出力し、E17のラインアウトからHA2002に繋ぐ
電源もコンセント直差しで処理はしていない、聞いた感想は参考レベルを捉えてください

HA2002は良い音がする
音場はHA5000より狭く、ボーカルの位置がやや近く、艶と色付けもやや強い
HA2002はW2002のコンボだが、W2002の量産型と言われるW1000にも非常に相性が良い
W1000が相性の悪いシステムに挿すと音が薄いとか高域が刺さるとかの問題があるか
全HA2002に繋ぐとすべての問題が解消され「これだ」というくらい相性が良い
中域が柔らかく厚い上に艶もあるため、まるで真空管アンプのようなとても濃厚さの音を演出させ
元々W1000の高域は金属的な煌めきがあってとても明るいが、HA2002によって高域は修飾され、音場がより小さくボーカル中心に集中
HA2002で駆動されたW1000は全体的に音が厚くて濃厚、古典な上品さが伝わってくる
正直、音響性能はともかくとても中毒性がある
これは確かに昔聞いたW2002+HA2002の音と似ている


山本音響工芸 HA-02

山本音響工芸 HA-02

かつて山本音響工芸さんもHA-02というW1000専用チューニングの真空管アンプもあったが
とにかく音が濃すぎて音響性能がお世辞にも良いとは言えない
それに比べてHA2002はまだマシである

HA5000に繋ぐと音場が一回り広がって、ボーカルと背景の定位性能と分離度が高めた代わりに、色付けの濃さがすっかり薄れていた
そうとは言え、HA5000はFOSTEX HP-A8とTEAC UD-301と比べても随分音が濃いアンプであくまで比較的な話

HA2002にW3000ANVを繋ぐと、最初は良いと思ったが長く聞くとやや濃すぎたと思った
W3000ANVは元々音響性能と分離性能が高い旗艦ヘッドホンなので
HA2002に繋ぐとボーカルの艶は確かに増やしたが元も個性が失われた
やはりW3000ANVはHA5000ANVじゃないと、という感想が自然に出てきた
HA2002アンプの基本性能は悪くないがやはり特別チューニングだけあって、ヘッドホンとの相性が大事

※試聴用のW1000は、W2002用のイヤーパッド(HP-W2002)に交換してある







AT-HA5000ANV + W1000/W3000ANV感想

HA5000ANVはHA5000の音作りをベースにした上に音響性能を強化し
チューニングはもっと均衡で「W5000専用アンプ」と範疇を破った
W1000との組合せ音はすっきりして華麗さが伝わってくる、元々出過ぎた各帯域には程よく締まっていく
色付けと音の濃さはHA2002に及ばず、高域は刺さるほどではないが若干の刺激さが残る

W3000ANVを繋いだら、これぞオーディオテクニカが世の中へ伝いたい「音」と感じた
その「音」は適切な華麗、上品さの中で新世代の音響性能を発揮し、ボーカルだけではなく、演奏、映画にも使える万能さをアピールする

いままでオーディオテクニカのヘッドホンはどちらというとボーカル重視で、音場と楽器演奏には半分諦めている姿勢で高級ヘッドホンを作ってきた
特に音場の立体性を始めとした表現は、W1000Xから革新しようとした(一時とても不評でしたが)
W3000ANVになって、新世代オーディオテクニカの音の集大成にも呼べるチューニングとなった

HA5000ANVのしたではこの傾向をさらに完璧に演出し、艶と濃厚さよりもW3000ANV優れた基本素質を限りなく発揮させた
高域はしなやかさと広がり、繊細さを兼ねてとても聞きやすい
中域は過分でなく程よく艶をつけて、近すぎず遠すぎずすっきりしたクリアなボーカルを演出してくる
低域は量より質、深さと反応速度は共に良好、立体的な音場感覚を構築するには十分な低域である

これからHA5000シリーズの行方は

HA5000も生産終了となった今、一つの時代の幕が下ろしたという惆悵感があった
その前身となったHA2002、その後継になるHA5000ANVも聴いて
手持ちの数々の木ヘッドホンを色々なアンプで聴いて、やはりHA5000の方が良かったと思った自分がいる
過ぎたことは戻らず、過去の栄光に囚われても先に進まない
オーディオの世界は、こうした瞬く間の美しさこそが人々が魅了された原因かもしれない

amzn.to



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