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ASUS STRIX 試聴メモ:なめてはいけない高品質ゲーミングヘッドセット

2020年11月11日 | 試聴メモ

マイクがついているのでヘッドホンではなく「ヘッドセット」です

このヘッドセットを聞きたのは偶然であった
年末の秋葉原は物凄く寒くて街を歩き回ることはできない
急いでソフマップビル(今のビックカメラ)に避難したら、座れる所を求めて4階のASUSゲーミングブースに足を踏み入れた
ゲームを体験するふりをして、実際にはゲーミングチェアに座って休む
偶然このヘッドホンを手に取り、Youtubeの音楽を再生して、今まで見向きもしなかった「ゲーミングヘッドホン」の音質がいかに悪いかを体験している

「意外と、音が良かった」

リュックからDAPのONKYO DP-X1を取り出し、いつも試聴用の曲といくつかのHi-Resを選んで聞いてみて
このヘッドホンの大まかな特徴を把握できた

1.広い音場、明確なポジションニング
2.周波数バランスが良く、低域は低くはないが量とスピード感は良好、高域は適切程度の解像感、広がりと繊細さを備えている
3.価格帯の割には音響性能が非常に良い(実勢価格は1万円以下)
4.女性ボーカルには艶がある


ONKYO DP-X1に繋いで試聴

ASUS STRIXはプラスチック製のハウジングを使用しているため、音の明瞭さと分離性能はアルミニウム/チタンなどの金属材料で作られたミドルエンド/ハイエンドのヘッドホンほど良くない
しかし、その解像度は1万円以下の価格帯としては素晴らしい、解像度・繊細さを強調する曲を聴いても目立った欠点はない

このヘッドホンの目玉は密閉型ヘッドホンなのに音場が驚くほど広く、ゲーミングでは音場性能を重視する為か
ボーカルとBGM、環境音などはそれぞれ適切な位置にある、同価格帯の一般ヘッドホンはこの音場性能に到達するのは無理である
例えをするなら、ゼンハイザーのHD800か、もしくはオーディオテクニカのW1000Xかくらいの音場性能である


よく見たら完全の密閉型ではなく空気穴があった

多くのゲーミングヘッドホンはソフトウェア的なサラウンド効果を用いて疑似音場を構築するが
ASUS STRIXの音場構築はそうではなく、空気の反射と反響をしっかりと利用して実現している
普通、音場が広いとボーカルの距離も多くなりがちであるが、ASUS STRIXのボーカル距離は遠すぎず適切である この種の音場構造は本能的にHD800を思い出した
私の感想では、この2つのヘッドフォンの音場構造は似ている

ボーカルの表現力ははASUS STRIXのもう一つのハイライトである
女性ボーカルは適度な艶と潤いを持っている
しかし、唇のささやかな音や唾液の飲み込みのディテールなどは再現されていない
この辺はやはりハイエンドヘッドホンは領分である

ASUS STRIXの先天な限界は高域とも言えるが、価格帯にしては悪くない
例えばオーディオテクニカのハイエンド密閉型ヘッドホン(例えば、A2000Z)のような透き通る高域は、ASUS STRIXは到底叶わない
また、プラスチックハウジングの影響は高域で最も顕著であり、高域は柔らかく、光沢感と透明度が少し足りない
これを除いて、女性ボーカルに求められる繊細さと広がりを反映するには十分な性能だ
総合的なグレードでは、各社のサブ旗艦モデルには及ばず、2万円台のヘッドホンとなら十分に戦える性能である
例えばオーディオテクニカのA900Zとならいい勝負かもしれない

10000円台のコスパが良いヘッドホンは沢山ある
しかし私を驚かせたのはこれがゲーミングヘッドホンなのだ
ASUSは一時期、ピュアオーディオ向こうのDAC、アンプとサウンドカードも積極的作っていたパソコンメーカーである
既有商品との競合への配慮が要らない分、メーカーは思い切り良い物を作れる
特にASUSのようなHi-fi Audio製品も製造しており、良い音も知っているはずのメーカーは
例えばオーディオテクニカもADG1およびAG1というゲーミングヘッドセットのシリーズを出しているが
ASUSがこれらを比べて、遥かに良い音をしている

ASUS R.O.G.シリーズ ノイズキャンセリング機能付きゲーマー向けヘッドセット STRIX PRO


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