無数にハラハラと舞う花びらが、山を薄いピンクに包み込む
一陣の風に歓声が上がる。上から横から谷底からも吹き上げる花の嵐・・
手にも顔にも口の中まで・・花びらのノックを受ける
「あら、花びらって力があるんだ・・」って、薄いピンクの小さな小さな一片に・・
上から横から下からも・・舞う花びらに包まれて、
まるで酔っ払ったように足下が揺れる。
そう、包み込まれて、抱かれて・・寄りかかっているかのようで・・
春の弔い・・
いや、いや、いのちの踊り。喜びの舞。
山を祝福して、見る者を祝福して最期の大盤振る舞いと来たものだ。
山桜は、赤い若葉が背伸びして、次はお任せなさいと手を広げる。
だから、思いっきり今を楽しんで良いのだと・・
桜の中に、浮かび上がっているような・・
そんな、妖しさに酔ってもいいんだと・・。
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