筋書きのないドラマ、筋書きのあるドラマ

ロッテ戦を中心に、野球を好き勝手な視点から見るブログ

「ワルキューレ」試写会…気合いは感じたが

2009-03-07 20:16:45 | 映画マ~ワ行

私って理解力がないのね……。全然わからないまんま終わってしまった

ヒトラーに反逆するワルキューレ作戦。暗殺とクーデターはうまくいったかに見えたが…

大筋はわかるのだけど、作戦の内容。作戦名の意味。今どうなってるのか。果ては誰が仲間で誰が敵かもわかんないよ…… だってだってみんな軍服で同じように見えるし、トム以外の俳優さん知らないし~

必然的にスーッと意識が途切れ、ぐぅ…… 完全に理解不可能に

ただ、あの独裁政権の中、失敗はしたけど戦った人達がいたことを伝えたいという作り手の気合いだけは感じた

たまたま最近、「ザ・エージェント」(1996)を観たけど、実はこの頃のトムの笑顔が苦手だった。今は大分渋味がでましたね。ワルキューレじゃ片目だったから余計そう見えたのかな。

とにかく私の知識レベルではもう一回観ないとわからない映画でした……でも、恐らくはきっと観ないと思います……f^_^;


笑えます。「少年メリケンサック」

2009-03-04 17:37:12 | 映画マ~ワ行

昨年の篤姫で大人気の宮崎あおいちゃんだけど、ちょっと苦手。クドカンはテンション高すぎてついていけないことが多い。
そんな私でも、佐藤浩市さんを観たいが為に(^^;)行ってきました、「少年メリケンサック」。

レコード会社に勤めるかんなは、派遣の更新を賭けて新人歌手を発掘中。動画サイトで見つけたイケメンパンクバンドと契約すべく会う。が、動画サイトの映像は25年前のもので、メンバーは50歳過ぎの凶暴オヤジ達だった……

 

これは観に行ってよかったな

理由1.テレビではもしかしたら放映不可能かも……(暴力、お下劣その他で)。
理由2.あおいちゃんは、可愛すぎるのにおてんばな役が多いのが苦手だった。でも今回の、無茶な展開にも乗っちゃうお気楽で空回り的なOLは◎。篤姫を脱ぎ捨ててました。
理由3.クドカンのテンション、2時間ちょいならOK。連ドラだと私には長すぎて保ちません。

 

とにかく笑えた

パンクはよくわからないし、観終わった後もパンクを好きになれたわけじゃない。下ネタもてんこもり。凶暴さも、あそこまでってどうなの? って感じ……

でもそれらをすべてひっくるめて面白かった。ぶっ飛んだメチャクチャさで有無を言わさぬパワー。エネルギッシュ

目当ての佐藤浩市さんは、そりゃもうカッコよかった 期待通り。大人になれてなくて下品で凶暴で不潔で腹の出た中年オヤジのロッカー。これで何でカッコいいのか不思議だけど。「誰も守ってくれない」のときより好きだな~
たまに響く一言が渋いのがいい。きれいごとしか歌わないかんなのカレシが青くて子供に見えた。

そのカレシ役の勝地涼くん、歌が下手な役だけど実はうまいのかも?って思っちゃった。声、きれいだなって。ユースケさんの社長もキレがよくてナイスでした

ムシャクシャして何にも考えたくない時とかに……お勧めの映画だと思います


救いのない「私は貝になりたい」

2009-01-14 20:41:14 | 映画マ~ワ行

戦争中、敵国捕虜を殺したかどで、清水豊松は戦犯として逮捕される。上官の命令で無理矢理だった上、豊松が致命傷を与えたのではないと訴えるが、下された判決は絞首刑だった…

戦争で取り上げられるのは命だけじゃない。人としての尊厳。周りの人達の温かい協力や必死の努力。苦労の末にやっと得た小さな幸せ。全てが呆れるほど理不尽に踏みにじられてしまう。そしてそれらを最も被るのが一般市民。

そういう、戦争が引き起こすめちゃくちゃな非道理を訴える映画に、アイドルのトップに立ち続けているSMAPの中居くん起用は正解だと思う。日本中の若い人達が観るだろうから。

ダイエットの話、丸坊主の話などで、バラエティでは笑いを取っていた中居くんだが、映画では悲劇の小市民を演じ切った。特に最期のモノローグの絶望的な悲しさ…。

アメリカ兵だって鬼ではない。看守は一緒に子供をあやしてくれたり、豊松の刑の執行時に切ない表情を見せたりする。彼らも下っ端はどうすることもできないのは同じなのだと思わせられた。

妙に家族愛とかに重点がおかれすぎず、救いの全くない結末が、ぬるいドラマにならずに淡々と訴えてくると感じた。

この映画をただの泣ける映画ととらえずに、戦争は絶対に絶対に起こしてはならないのだと肝に命じなくては…と、一人でも多くの人が思ってくれることを切に願います。

 

おまけ

映画を観るたびいつも思うのだけれど、主題歌はどうして最後の最後に1回しか流れないんだろ? もっとTVドラマみたいにここぞというとこでガンガンかけて欲しいと思うのだが…何か制約でもあるんでしょうかね…??


レオ&ラッセルの「ワールド・オブ・ライズ」

2009-01-07 17:28:31 | 映画マ~ワ行

中東の大規模なテロ組織を追跡するCIA。現場で体を張って現地人も使いこなして任務を遂行するフェリス(レオ)と、安全なところから主にモニターで指示する上司のホフマン(ラッセル)。壮絶な情報戦のキーとなるのは「嘘」だった……

 

一つ。「レオとラッセルが観れる~」などとあまりに軽い気持ちで臨んだのが間違いでした

「フィクションです」と断りはあったものの、中東において現実に起こっているテロやそれに対抗するためにこういった激しい攻防があるだろうことから目をそらしちゃいけないのでしょう。そういう意味ではかなり残酷な映像が出てくることも必要だろうし、テレビでは映せないだろうから映画の使命かとも思うけど。

ただ、暴力シーンの苦手な私にはちょっと厳しかった。うっ、と目をそむけてたり瞑っていたりする間に、ついにはああ、ウトウトと……。

 

二つ。「壮大な嘘のつきあい」がメインの映画だと思っていたので、何か肩すかしをくらったような。

途中、目を閉じてたり記憶がとんでたりするので余計にわからなくなってしまったのだけれど、ああきたらこうきて、そうしたらそうきたか……みたいなことが繰り広げられて最後に大どんでん返しの嘘でビックリ~、みたいな結末を予想していたので、「あれれ?」で終わってしまった。ハニの嘘がそれだったってことなのかな。

 

三つ。ラッセルは体を張らないの~?

「インサイダー」や「ビューティフルマインド」での知性派もよかったけれど、やはり「グラディエーター」とか「クイック&デッド」みたいな体力派のイメージが強烈で。「バーチュオシティ」みたいなぶち切れたのも好きだったんだけど~~。今回の役柄はちょっと物足りない感じが。

でも、私は彼の声が大好きなので、それだけでも満足。

 

四つ。レオ様は、ワイルドでした。

その昔、彼は「顔がきれいだというだけで評価されたくないから変わった役を好んで選ぶ」みたいなことを聞いたような(ブラピもしかり)。

確かに「タイタニック」みたいな役は珍しい部類で、知的障害の子や、ゲイとかジャンキーとかのクセ役が多かったかも。

今回は、激しい爆発や拷問などでかなり過酷な目に遭うが、行動力も抜群で頭も切れる役。顔が若い頃のまま幼さが残る感じなのでちょっと「若すぎるんじゃない?」とも思ったけれど、もう34歳になってたとは驚き……。


見応えはあった映画。でも……、今年のトップとしてはあまり自分に合わない映画を選んでしまった……それが素直な感想です。

 


「容疑者Xの献身」 主役は堤真一と松雪泰子

2008-11-17 17:50:34 | 映画マ~ワ行

大好きな東野圭吾さんの直木賞受賞作。すぐにでも観に行きたかったが、諸々あってこんな時期になってしまった(T_T)

数学者の石神が密かに想いを寄せる隣人の女性が、元夫を殺してしまう。石神はその天才的な頭脳で警察の動きを先読みし、彼女の容疑を見事に晴らす。だが、石神の友人の物理学者湯川が、そのカラクリを暴いていく……

何と言っても堤真一さんの存在感がすごかった それは最後のシーンに集約されるが、とにかく世間離れしているゆえに愛情表現が不器用な、うらぶれて老け込んでいる数学者の冴えなさ加減がいい。

「ALWAYS 三丁目の夕日」での直情型の江戸っ子鈴木オートとは全く違う。白髪まじりでよれよれのシャツの丸まった背中。こうまで変われるものか、と感動。

そして、そういうウブな男性がいかにも魅かれそうな、美しくもはかなくて守ってあげたくなる女性、松雪泰子さんがまたいい 

主役はこの二人でしょう。福山雅治さんさえ、あまり必要ないかも、更に原作にない柴咲コウさんの役は全く不要、と思えるほどだった。

今や、R25世代の男女共にお気に入り作家第1位の人気を誇る東野圭吾さん(「L25」リクルート発行より)。やはり話が緻密でリアリティがあり、人物も魅力的、そして最後には必ず大逆転があるからだろうか。とにかく東野さんの本はほとんどハズレがなく、とことんはまってしまう。

この「容疑者Xの献身」も例に漏れず、読後は最後のどんでん返しに満足し、切なさをひしひしと感じた。映画になると聞いて、イメージを損ねたらいやだなと思っていたが、この映画はかなり原作に忠実だったと思う。

テレビのガリレオシリーズとのふれ込みだが、言われるまで湯川准教授が原作に出てきていたことも忘れていた テレビの続編だと思って観た方は、トーンの違いに驚いたのでは。

正直、東野さん原作の映画化は、「秘密」、「手紙」とガッカリの連続だった。

「秘密」はヒロインが墓まで持っていくつもりだったから「秘密」だったのに、それをダンナに臭わせる素振りをさせるなんて最悪 

「手紙」は強盗殺人犯の弟ということで人生狂わされっぱなしの主人公が、最後にようやく被害者家族に謝りに行く決心をするのだが、その最大の理由がずれていた 

どちらもそんな大事なところを押さえ損なっていたので、今度もそうだったらどうしようと不安がいっぱいだった

けれど、「容疑者Xの献身」は軸にブレがなく見応えがあった。実は観た翌日まで疲れが残ってしまうほど力が入ってしまった。まさか一般人の湯川に取調室で取り調べはさせないでしょ、とか細かい突っ込みはあるとしても、これはドラマではなく映画にするのが正解と納得の満足度でした

(蛇足)個人的によく通る新大橋が舞台だったので、それも楽しみにしていた。その周辺や浜町駅の辺りなどもしっかり映っていて満足しました