筋書きのないドラマ、筋書きのあるドラマ

ロッテ戦を中心に、野球を好き勝手な視点から見るブログ

「ターミナル」 良くも悪くもアメリカン

2009-11-13 18:14:43 | 映画タ~ハ行

JFK空港に降り立った際、自国がクーデターで崩壊し、パスポートもビザも無効になったナボルスキー。NYの街に出ることも国に帰ることも出来なくなった彼は、空港で暮らし始めるが……(2004年 監督:スティーブン・スピルバーグ 出演:トム・ハンクス キャサリン・ゼダ・ジョーンズ)


 

空港を出られなくなったという異常の事態にも、彼は機転と気質で順応していく。

カートを所定の位置に持っていけば25セント稼げると気付き、それを食費に充てたり、トイレをお風呂代わりにしたり
英語がほとんど全く話せなかったのに、本屋で手持ちの本の英語版を探し出して勉強したり
空港内の店に就活したり、自分の職業である建築業を生かしてペンキ塗りをしていたらそこをスカウトされて高給取りになったり……。
とにかくサバイバルぶりが楽しい

その合間に、ダメとわかっていながら出国手続き書類を提出し続ける毎日。
その担当女性職員や、彼女に想いを寄せるフードサービス係の男、清掃員の熟年男性、就活をかけられた店の店員ら。
ナボルスキーは生来の温厚な人柄でそんな人々を味方につけていく

こんな状況でも彼を大切に思う友達が出来ていくところが、アメリカっぽいなあ
そして素敵な女性と恋に落ちたりするところも。

警備の職員を味方につけたのは、同じ国の言葉をしゃべる男が父親の病気の薬を違法に持ち出そうとしたとき。
それを機転でうまく法にひっかからないようさばいたのはお見事なように見えるが、やはりアメリカンな気がした  あれ、OKなの? と。
日本じゃ絶対無理だよね
取り次ぎだけで指輪をもらった女性が、結婚をOKするのもアメリカン

この映画を観たのは3度目だけど、初めて観たときは「ターミナル」なのに最後はターミナルを出て行くことにあれ? と違和感を感じた。
でも、観直してみたら特にひっかからなかった。というより、あの結末しかないだろう、と思えた。
どうして感想が変わったのか自分でもよくわからないけど

いろいろ大雑把かな~と思うところはあれど、細かいところは気にしない、というアメリカンな気分で観れば、とてもあったかく楽しめる映画だと思います

 


「ボーン・スプレマシー」「ボーン・アルティメイタム」

2009-11-06 18:50:11 | 映画タ~ハ行

おうちで二つ鑑賞。

CIAで殺し屋として鍛えられたボーンは、記憶を失って以来そのCIAから殺されそうになる。だが、体に染みついた機転と技とで追っ手を逆に手玉に取り、自分の過去を探っていく……「スプレマシー」2004年 「アルティメイタム」2007年 監督ポール・グリーングラス 出演マットデイモン

 

海で死にかけていたボーンが、背中に埋め込まれていたカプセルの謎を追いながら、護身術だったりに長けていることから元CIAとわかるまでがパート1の「ボーン・アイデンティティ」(2002年 監督ダグ・リーマン)

この2つはその後なのだけど、まあCIAと戦いながら過去を探していくという基本は同じ。

見所は、ボーンとCIAとの頭脳戦、そしてアクション。

膨大なデータから迅速な攻撃をしかけてくるCIAを、ボーン一人が手玉に取っていく頭脳戦は胸がすくし、してやったりとニンマリしちゃう
CIAの中でも組織にありがちな人間関係のぐちゃぐちゃがあって、その辺も面白い。
アクションは、まあ長々とやってるわ~、という感じで、ちょっと飽きた。。。

恐らく、「24」などのスパイとか諜報ものが好きな人は好きだと思う。

私は、マッド・デイモンが好きなので見たクチだけど、アクションものはあまり好みではないので、全体的にはまあまあ、でした。
マッド・デイモンはカッコイイです~~

パート2が「スプレマシー」、パート3が「アルティメイタム」なのに、うっかり逆順に見てしまったけれど、特に問題もなかった……

 


映画館で観る映画 「劔岳 点の記」

2009-08-14 09:41:55 | 映画タ~ハ行

何と言っても、連なる山々の荘厳な映像に尽きる映画だと思います 雪のないときも、雪崩だったり雨だったりでも、太陽が雲海の中にそびえているのも、珍しい動物や虫が横切るのも。どれもこれも、溜息が出るほど美しかったです。これは映画館の大スクリーンで観るべき。

軍の要請で、日本地図完成に必要な三角点を立てるため、柴崎を先頭とする測量隊が、まだ未踏の地である立山連峰の劔岳登頂を目指す

雪崩や大雨や急傾斜やら、あまりにも過酷な命がけの登山 明治40年という時代、服でも備品でもたぶん性能も悪く重くて大きくて、それだけでも大変な負荷だっただろうな、と、登山には素人な私でも簡単に想像できる。

そんな大変なことに立ち向かい、成し遂げるには、信頼できる仲間――案内人達。 それから、競争しお互いを高め合うライバル――山岳会の面々。そういうものが必要不可欠ということなんでしょうね

登山家三浦豪太さんの、日経夕刊連載中のエッセイ「探検学校」を読んでいますが、そこでひしひしと感じさせられたシェルパとの信頼関係の重さ。それがこれか~、と納得した次第

点の記、というのが、三角点の記録だということも、お勉強になりました

ただ、CGなしの山々の美しさ、厳しさ、壮大さが素晴らしかった分、ドラマ的にはもう一つだったかな、という気はした。

浅野忠信、香川照之、松田龍平、仲村トオル、國村隼など曲者揃いだったせいで、どこかで誰かが「ふっふっふ」といつか変貌するのかも、なんて始終心配し通しで……(^^;) でもそれが案外みんな普通の人だったので、よかったんだか肩すかしだったんだか

手旗信号のエピソードも、六大学野球みたいにお互いの検討をたたえ合うのはよかったのだが、……長すぎない? あれだけ長い文章が正確に読み取れるのかな……とかこちらも要らぬ心配を 手旗って、一言二言伝えるくらいが適当なような気がして。

けれど、やはり充分異世界に連れてってくれる映画。映画館で観られて良かった。
ただ、私の行ったところは、空調が悪かったのか控えめすぎたのか、あの極寒の映画を汗だくだくで2時間20分。あやうく熱中症になるところでした……


「ノウイング」 ニコラスの役割は?

2009-07-17 14:25:13 | 映画タ~ハ行

息子の学校で、50年前に小学生達が絵を保管したタイムカプセルが掘り出される。当時から見た未来の絵のはずが、息子が受け取ったのは謎の数字の羅列。大学教授のジョン(ニコラス・ケイジ)はそれが大惨事の起きた日時と座標であることを解読してしまうが、その中には未来の数字もあり……

みんなが楽しそうに絵を描いている中で、ただ一人一心不乱に数字をひたすら書き付ける不気味な女の子 華々しい創立記念の式典で、彼女は持っていた風船だけ残して消える。体育館の倉庫で、その女の子は指を血まみれにして何か書き付けていた――。

その導入部分だけで、何なの? 何が起こってるの? とグッと惹きつけられる

更に、その女の子の書いた数字の謎は何? となり、それが事実として突きつけられて、さて今後は? と次々気になっていく

正直、前日寝不足だったので眠ってしまうかと心配だったが、それどころじゃなかった 緊迫感と迫力に溢れ、非常にテンポ良く展開していくのだ

ニコラス・ケイジは、本来なら生理的にあまり好きではないタイプ(^^;)  だけどこの人、何故か気になる人なんだよね どうも出演していると観たくなる。アクションの肉体派でも、知的なひ弱男でも様になる。彼の出演作品で特に好きなのはザ・ロック

今回は、大学教授のシングルファーザー。息子の生意気に閉口したりもするが、守るために奔走。更にはそれが人類を守る使命に……となるかと思ったら、あらら。ららら……

ミステリー? サスペンス? ホラー? と思ったらSF? 結局かけずり回ったニコラスは何だったの。何の役に立ったの……彼の役割は一体……。ちょっと可哀想だった、というのが正直な感想。

でも不満というわけじゃない 結末が良いとか悪いとかより、そこまで行く過程から目を離せなかった、ということで、楽しめた映画でした


ジョン・コナーよりマーカスだった「ターミネーター4」

2009-07-14 18:40:41 | 映画タ~ハ行

遅ればせながら、ようやっと観に行けました

「審判の日」の10年後2014年、マシーンと人間の争いは激化していた。抵抗軍のリーダー格ジョン・コナーと、その父となる今はまだ少年のカイルがマシーンの最も重要な標的。まだT-800型も開発中だったこの時、マシーンが繰り出したターミネーターとは……

このシリーズ、T2が一番好きだった 人間的なことを学習して身につけていくターミネーターと少年ジョン・コナーとの友情や信頼、T-1000型のあまりの怖さ。未来を変えられるという希望。何度観ても引き込まれ、私の中の映画ベスト3に入る

T1も好きだったが、T3はちょっとパス……だった 2で、少しぐれてはいたがあんなに頭が切れて芯が通っていて将来のリーダーになるのもわかる、という利発な少年だったジョンが、どうしてこんなんなってしまうの? というほどヘタレで、しかも俳優さんが苦手だった(伊藤淳史くんに見えて仕方なかった  伊藤君ごめんね)。正直ガッカリしてしまったのだ

このT4では、すっかり大人になって抵抗軍のリーダーになるのも近い、という時代のジョンだったけど、かなりキャラ復活 とても頼りがいがあって信頼に足る戦士。うん、クリスチャン・ベイルでよかった~。ただ、ちょっと真面目すぎて面白みに欠けた感があったかも。

でも、主人公は完全にマーカスだったな~ 重いものを背負っているらしい過去。次々出会う人々を助けていく強さ(パワーも精神力もね) そして自分を人間と信じていたのにそれを裏切られた切なさ。

う~ん、マーカスを攻撃するジョンの方が悪役に見えちゃった それなのにマーカス、「二度目のチャンス」でジョンにそこまでしてあげちゃうの? 君は何も悪くないのに……と残念でした。サム・ワーシントンの野性味がピッタリでとてもとてもよかったです

ちょっとしたお気に入りとしては、モトターミネーター あの無人バイク、欲しいな~。すばしこくてお茶目な感じがかわいげがあって好き

それにしてもカイル役の子は何であんなに元カイルに似てるのか。。。ビックリです。

シュワちゃん登場もファンには嬉しい って言っても、合成だそうですが。知事にもできれば出演して欲しかったですねえ 相変わらずの強さ。あの完成品がT1で襲ってくるわけですね。。。

このあとT5、T6と続くらしいけども、マーカスはもういないのね ジョンの奥さんが妊婦だったことは何かの布石なのかな。

面白かったけれど今回は完全にアクションメインだったので、この後のシリーズ、希望としてはもう少しT2くらいのドラマと半々な感じが、私には好みです