筋書きのないドラマ、筋書きのあるドラマ

ロッテ戦を中心に、野球を好き勝手な視点から見るブログ

期待と少し違った……「ハゲタカ」

2009-06-15 16:42:38 | 映画タ~ハ行

鷲津(大森南朋)は、企業を買いたたくファンドマネージャーとして「ハゲタカ」と異名を取るほど有能だったが、ほとんど引退同然でいた。そんな鷲津のもとへ因縁浅からぬ芝野(柴田恭兵)が、日本を代表する自動車会社を買収の危機から救ってほしいと頼みにくるのだが……


ドラマ版は、バルクセール、ゴールデンパラシュート、EBO、ホワイトナイト等々、マネーゲームに関わる普通じゃ余り聞かない専門用語が次々飛び交った それぞれがキーワードとなり、わかりやすくドラマチックに組み入れられていて、経済に明るくない私でも「へえ~」「なるほど」と、夢中になった。

お互いの生き残りを賭けた戦いの緊迫感、失敗すれば死さえ絡むという厳しさ。非情に見える鷲津がそうなった過去などがとてもリアルで、人間像も魅力的だった

だから否が応でも期待が大きくなり、キャストも見応えがありそうで、映画は楽しみにしていた。

でも、映画の感想は「……」。
何か物足りなかった。今一つ響いてこなくて乗り切れずに終わってしまった……

やっぱり見所は、買収をかけてくる「赤いハゲタカ」とそれを阻止しようとする元祖「ハゲタカ」の頭脳&情報合戦だと思うのね。それが、何かもう一つという感じがしてしまったからかな……

お互いの戦いが、ほとんどTOBという株式の公開買い付けだけで、ドラマのようにいろんなパターンが見られずに、スカされた感があったというのが一つ。
それから、追いつめられて負けそうになった鷲津側が仕掛けてひっくり返した作戦というのが、どうも納得がいかず…… 相手側も相当な情報を持っているだろうと思うのに、そううまくひっかかってくれるのかな~??って。

リアルさを追求した脚本は、何度も書き直されたと聞く 確かに中国の台頭、派遣工の厳しさ、サブプライムなどタイムリーな問題が取り上げられていたけど、それがどうも表面を触っただけという感じがしたのが残念に思えた。

そうはいっても、鷲津、芝野は相変わらずクールでカッコよかったし、「赤いハゲタカ」の玉鉄もインテリジェンスで魅力的、ほぼ主役は玉鉄?という感じもした

映画単体で観ると、鷲津と芝野の信頼関係の背景などがわからないのでただの盟友にしか見えないだろうし、西野(松田龍平)とか三島(栗山千明)にいたってはテレビ版で出たから出ました、というオマケ出演だろうな、、、という気がする

2時間で駆け足の映画じゃなくて……、ドラマのパート2を作ってじっくり見せてくれた方がよかったんじゃないかな……と思わせられた一作でした


何度でも観たい映画4 「バック・トゥ・ザ・フューチャー」

2009-06-12 18:56:17 | 映画タ~ハ行

私の中の、「名作」の基準=それは何度でも観たくなるものかどうか。
そういう意味ではこれはもう大名作 いったい何度観たことか 大人気のタイムトラベルシリーズ1,2,3。

1(1985年)
マーティには、科学者のドクという妙な友達がいる。彼が作ったタイムマシンでマーティが過去へ飛ばされてしまったところ、両親の出会いを邪魔し、母親はマーティを好きになってしまう……。

2(1989年)
子供達に起きる不幸を食い止めに未来へ行ったことから、戻ってみると現代が暗黒に。狂ってしまった現代を直すキーはまた過去にあると分析し、マーティはドクと共に再び過去へ……。

3(1990年)
2で更なる過去へ飛ばされてしまったドクを迎えに、マーティは今度は西部開拓時代へ飛ぶ。そこではドクの運命の出会いがあって……。

 

一番好きなのはやっぱり1。
軽妙なテンポで、さりげない行動やセリフなどが、全て過去やタイムスリップで変えられた後の現代につながっていて、細かいことまで楽しめるのが好き

大好きなのが、父親のジョージ・マクフライ あまりにも情けなくて、それでいてマーティとどこか似ていて、動きといい表情といい面白すぎる この役をやったクリスピン・グローヴァーは、2以降のオファーを断ったそうで出ていないのが残念。「チャーリーズ・エンジェル」で見かけて、やっぱりあまりにもヘンな役なので笑えた~

見直してみてビックリしたのが、2,3でマーティのGF役がエリザベス・シューだったこと。へえ~……こんなところに。1では違う女優さんだったのが、親の病気で引退したため彼女に変わったとか。いや、1と違う人だったことすら気が付かなかったわ

2の、ゲームで遊んでいる端役のちびっ子の一人がイライジャ・ウッドというのも、、、今更ながらや~~っと確認できた

2,3も面白いのだけど、やっぱり2はつなぎ、3はちょっと説教めいた……?感じがして、1がで~ん、と私の中では主軸に居座ってます

 

。。。マイケル・J・フォックス、声優やTVゲスト出演などの話を聞きますが、ご病気は大分回復されたのでしょうか。。。

 

 


二転三転の「天使と悪魔」

2009-05-31 20:53:46 | 映画タ~ハ行

「ダビンチ・コード」に続くラングドン教授シリーズ。バチカンの、コンクラーベに関わる事件

「ダビンチ・コード」は欧の美術、宗教に関わる謎解きがメインだったけど、この「天使と悪魔」は、「ダイ・ハード」か?というようなアクションメインで、ちょっとびっくり。

まあ、宗教、美術に関する知識がほとんどないので、「ダビンチ・コード」よりわかりやすいといえばわかりやすかったけど、やっぱり本当はもう少し重心がミステリー方面なんじゃないのかな、と思う。

タフなラングドンは、酸欠の密室から九死に一生を得、銃撃戦をくぐり抜け、水死寸前の枢機卿を救い出し……

謎解きが仕事だったはずなのに、教授とは思えない体力勝負のスーパーぶり トム・ハンクス、頑張ってます。

他方、ユアン・マクレガーも、駆け回るわ、飛ぶわ、落ちるわ、不死身すぎ~。

さすがハリウッドといった大迫力シーンの連続で……でもちょっと死なせ過ぎ、貴重な建築壊しすぎ? と心配になりました。

物語も目まぐるしく二転三転し、最後までこれでもかーというひっくり返りよう。観光巡りをしているかのような街並みや教会なども見応えありで、うん、面白かったです。

ただ、犯人の動機が一言くらいでしか説明がなく、今一つわからなかったのがちょっと消化不良

個人的には、ステラン・スカルスガルドに注目 「マンマ・ミーア」ではナンパなオッチャンぶりが素敵でしたが、今回はあやしさ120%の刑事がとってもハマってました

 

 


見逃さなくて良かった「フロスト×ニクソン」

2009-04-15 20:38:56 | 映画タ~ハ行

ウオーターゲート事件で米史上初の任期途中降板となったニクソンに、コメディアン上がりのフロストが真相を語らせようとインタビューを挑むが……

いや~、面白かった。思ってた以上に。思ってたよりずっと。

以下、ネタバレあり、です


 

斬るか斬られるかの、緊迫感溢れる真っ向勝負。その為のお互いの事前準備の周到さもすごかったし、インタビューにおいてあんなにも細かく契約するものなのかと驚き

本番でのニクソンの老獪な話題のすり替え、時間稼ぎの滑らかな述懐。主人公のフロストが追い込まれるというのに、見事過ぎて小気味いいほど

そして、手玉に取られていたフロストが見せる最後の大逆転……  いやあ見応えがありました。大満足です

ただ、その奇跡の大逆転を起こす執念に火をつけた、ニクソンの電話のエピソードがよくわからなかった。本人も覚えてないみたいだし……。勝ちを確信した油断によるお酒の上の失態? それとも年齢による物忘れ? 理解力不足な私……

まあ細かい部分がわからなくても、充分にのめり込んでしまった。

こんなに面白いのに、公開劇場は少なめ。でも頑張って不便な劇場まで行ったのは、理由あり。

昔から一番のお気に入りハリウッド俳優、ケビン・ベーコンを久々に見られる……ということで行くしかない

以前はケビン・ベーコンゲームなるもの(=共演した人を「No.1」とし、No.1の俳優と共演した人をNo.2とするもので、ほとんどの俳優がNo.3までには入ってしまう。日本人でも、役所広司はNo.2、美輪明宏はNo.3となり、誰でも辿っていくとケビン・ベーコンに行きつくという**Wikipediaより)が登場するほどやたらに出演作があったのに……一体最近どうしてたの~? 待ち侘びたわ

近年の彼は、極悪人の役が多い。それもあんまりにもひどい奴なので、最後には何のためらいもなく撃ち殺されちゃったりする(>_<)

でもここでは一転、冷静で切れ者というニクソンの忠実な補佐。喜ぶときも悔しいときも、表情はちょっとした動きだけ。尊敬と敬愛が深いゆえに一度だけ激情するのも見物。やっぱり上手いです なのに何だかいつも紙一枚の差くらいで賞からすれ違ってる感じなのが残念……


とにかく頑張って観に行った甲斐があった。見逃さなくてよかった。かなり満足度が高い逸品だと思います


「秘密」……ラストが惜しまれる

2009-03-02 17:52:03 | 映画タ~ハ行

「おくりびと」の滝田監督作品として、28日に「秘密」(東野圭吾原作)が放映されていた。東野ファンとしては、原作の小説は大好きだった

スキーバスの事故により、妻は死に娘は生き残った。が、娘の中身は妻という現象が起きる。娘として人生をやり直そうと頑張る妻に、置いてきぼりの感を持った夫は、格好悪いと知りつつ彼女を監視し束縛するようになる……(1999)

途中までは、小林薫の切ない格好悪さがとても丁寧に出ていて、妻とのどうしようもないすれ違いの哀しさがあわれでよかった

あ~んな役で伊藤英明が…… ちょっと前の映画を観るとそんな楽しみがあったりも

でも、ラストだけはどうにも納得がいきません 原作ファンとして。

前に観た時も同じ感想だったが、二度目に観たら違うかと思ったけど……やはりダメでした

妻が時間をかけてきめ細やかに演技を積み重ねて守ろうとした「秘密」。それは夫が自分を娘として解放してくれたという愛情に対する答えだったはず。だから、どんなことがあっても彼女が真相を認めるはずがないのだ。だからこそ「秘密」なんでしょう??

なのに、映画のラストはあまりにつまらないことでばれてしまい、しかもそれを肯定する仕草を見せる。それって、あってはならない脚色だと思うのだけれど

原作の東野さんも、大学の教授役で出演されていましたが……あれでいいんでしょうか。映画になった時点で、別物と割り切ってらっしゃるのでしょうか……