勝利至上主義と、勝ちにこだわらず楽しさを教えること。
この2つをコントロールすることは難しく、例としてよく挙げられるのがヨーロッパのU12カテゴリーの話。
ヨーロッパには、勝敗をつけず、全国大会を実施しない国がある。
「勝ちにこだわらないこと」に対してこうして歩みを揃えているから、この理論は実現できる。
一方で、日本は全国大会がある。
だから、「勝利至上主義」になるのは必然なのかもしれない。
勝ち負けをつけるやり方を協会が提示する限り、「勝つことが全てじゃない」は通用しない理論だと、私はずっと感じていた。
もちろん、勝ちにこだわって誤った関わり方をすることは良くないが…
試合に勝敗がついて、もし自分たちが負けた側になったとして…
また、勝てないチームだとして…
私の口から「勝つことが全てじゃない」と言ってしまえば、それは選手の可能性を信じていないのではないか?
成長しているから、勝つ
強くなったから、勝つ
勝敗とは、自分の弱さと強さを写し出す鏡なのだ。
だから私は、あくまで勝つべき場面は勝利至上主義的な一面を持って指導していた。
例えば、春の大会や11月の大会はその大会のための練習をした。
バンプの徹底からトラップへの対処まで…
一方で、それ以外はシュートに力を入れたり、試合も成長を見る場面とした日もある。
勝利至上主義は、時に人を成長させてくれることに間違いないだろう。
勝つまでの道のりに何をしたか、どんな準備ができたか。
そして、自分の成長を確かめることができて、優秀選手に選ばれることやトロフィーを手にした時の空気より気持ちが良いものはないだろう。
やっぱり勝ち負けの世界にいる以上、そこにはこだわるべきだと思う。
勝ち負けのない世界…
例えばスクールなんかでは、私は「勝つことが全てではない」を心から言える。
でも、ミニバスは違う。
試合に出て、勝敗を決める。
だから指導者である以上、あくまで結果を残さなければいけない。