1つの別れを前にして、彼女らは過去に生きるか、今を生きるのか…
ただそれだけを知りたかった。
今日の練習を終えて、「別れ」は彼女らにとって強さの糧となっていることが伝わった。
残り1ヶ月でも、このチームは強くなれる。
やはり、あの子らは強い。
いや、強くなった。
1ヶ月後に向かう先は、また1つ異なる世界でありたい。
だから、現状に甘えず、全員で進めればいいなと思う。
最後女子を集めて、言ったことがある。
「メンバーが欠けた(別れ)という事実に対して、1ヶ月後、別れがあったからこそ自分たちは成長できたと思うことが、大切なんじゃないかな?
これから君たちは、バスケを続けるかという選択をするだろうし、高校受験や大学受験なんかもありますね。
バスケを辞める、行きたい学校に行けなかった…
この事実が変わらないなら、自分の選択、起こる事実に対して『それで良かった』と思えるよう生きることが、人生なんだと思うんだ。」
自分はまだ、22歳。
人生のことなんか何もわからないし、偉そうに言える立場でもない。
ただ、1つだけわかるんだ。
俺はこれから、指導者から離れて社会人になる。
これは、自分で選んだこと。
世界は2つあって、「指導者として生きる世界」と、「社会人になる世界」
俺は、後者を選んだ。
だから、指導者として生きたであろう世界よりも、社会人として生きる世界に満足できるよう、これからの人生を歩むべきなのだと思う。
それだけが、自分で出した答え。
彼らも、俺も、そして人生経験豊富な者であっても、きっと同じなんだ。