左からボブ・ウエストン、ミッキー・フィン、スティーヴ・マリオット、グレッグ・リドリー、イアン・ウォーレス
スティーヴ・マリオッツ・オール・スターズ Steve Marriott's All Stars
【活動期間】
1975年~1976年
【メンバー】
<Vocal>
スティーヴ・マリオット/Steve Marriott(guitars, vocals)在籍1975~1976
<Guitar>
ミッキー・フィン/Micky Finn(guitars) 在籍1975~1976
ボブ・ウエストン/Bob Weston(guitar) 在籍1975
デイヴ・"クレム"・クレムソン(guitar)/Dave Clem Clempson(guitar)在籍1976
<Keyboard>
デモン・ブッチャー/Damon Butcher(keyboard)在籍1976
<Bass>
ニック・サウス/Nick South(bass) 在籍1975
グレッグ・リドリー/Greg Ridley(bass) 在籍1975~1976
<Drums>
イアン・ウォーレス/Ian Wallace(drums) 在籍1975~1976
<Chorus>
ザ・ブラックベリーズ/The Blackberrys(chorus) 在籍1975~1976
【バンドの歴史】
「スティーヴ・マリオッツ・オール・スターズ」は、スティーヴ・マリオットがハンブル・パイ解散後に結成したバンドである。
マリオットはハンブル・パイのフロント・マンとして活躍していたが、1975年にハンブル・パイが解散するとソロ活動を開始した。
そして、ソロ・アルバム「マリオット」の制作に取りかかりながら、1975年7月に自己のバンド「スティーヴ・マリオッツ・オール・スターズ」を結成。
このバンドはマリオットのほか、元ヘヴィ・メタル・キッズのミッキー・フィン(guitar)、元フリートウッド・マックのボブ・ウエストン(guitar)、元キング・クリムゾンのイアン・ウォーレス(drums)、元エリスのニック・サウス(bass)の5人に、ハンブル・パイのレコーディングにも参加していたザ・ブラックベリーズ(chorus)を加えたもので、マリオットのバック・バンド的性格が強かった。
結成の翌月にサウスが脱退するが、すぐにマリオットのハンブル・パイ時代のバンド・メイトであるグレッグ・リドリー(bass)が加入する。
1975年限りでウエストンが脱退したが、後任としてやはりハンブル・パイ時代のバンド・メイトである名手クレム・クレムソンが加わった。
バンドは積極的にライブを行い、1976年3月にはサウンドにより厚みを持たせるためにキーボード奏者のデモン・ブッチャーを加える。
同年5月にマリオットのソロ・アルバムがリリースされる。
この年、スモール・フェイセスの曲「イチクー・パーク」がリバイバル・ヒットしたことをきっかけに、スモール・フェイセスが再結成、マリオットもこれに参加することになったため、オール・スターズは解散した
解散後、クレムソンとブッチャーは「ラフ・ダイアモンド」の結成に参加し、リドリーとフィンは「ザ・フォールン・エンジェルス」を結成した。
マリオットの死後、未発表のセッション音源が発掘され、1995年に「Clear Through the Night」のタイトルで発表された。この未発表セッションがソロ・アルバム「マリオット」の制作につながるのである。
【ディスコグラフィ】(☆=ライヴ・アルバム ★=コンピレーション・アルバム)
<アルバム>
1995年 Clear Through the Night
【メンバー変遷】
#1 1975
スティーヴ・マリオット(vocal, guitar)
ミッキー・フィン(guitar)
ボブ・ウエストン(guitar)
ニック・サウス(bass)
イアン・ウォーレス(drums)
ザ・ブラックベリーズ(chorus)
#2 1975
スティーヴ・マリオット(vocal, guitar)
ミッキー・フィン(guitar)
ボブ・ウエストン(guitar)
グレッグ・リドリー(bass)
イアン・ウォーレス(drums)
ザ・ブラックベリーズ(chorus)
#3 1976
スティーヴ・マリオット(vocal, guitar)
ミッキー・フィン(guitar)
デイヴ・クレムソン(guitar)
グレッグ・リドリー(bass)
イアン・ウォーレス(drums)
ザ・ブラックベリーズ(chorus)
#4 1976
スティーヴ・マリオット(vocal, guitar)
ミッキー・フィン(guitar)
デイヴ・クレムソン(guitar)
デモン・ブッチャー(keyboard)
グレッグ・リドリー(bass)
イアン・ウォーレス(drums)
ザ・ブラックベリーズ(chorus)
ポセイドンのめざめ In the Wake of Poseidon
【歌・演奏】
キング・クリムゾン/King Crimson
【リリース】
1970年5月15日
【録音】
1970年1月~4月 ウェセックス・サウンド・スタジオ(イングランド ロンドン)
【プロデューサー】
ロバート・フリップ/Robert Fripp & ピート・シンフィールド/Pete sinfield
【エンジニア】
ロビン・トンプソン/Robin Thompson
【レーベル】
アイランド/Island Records(UK, Europe)
アトランティック/Atlantic Records(US)
フィリップス/Philips Records(Australia)
ヴァーティゴ/Vertigo Records(New Zealand)
【収録曲】(☆シングル=⑥)
side : A
① 平和 / 序章 0:51
Peace - A Beginning(Robert Fripp, Pete Sinfield)
② 冷たい街の情景(インクルーディング:トレッドミル42番街) 7:57
Pictures of a City (including 42nd at Treadmill)(Robert Fripp, Pete Sinfield)
③ ケイデンスとカスケイド 4:35
Cadence and Cascade(Robert Fripp, Pete Sinfield)
④ ポセイドンのめざめ(インクルーディング:リブラのテーマ) 8:24
In the Wake of Poseidon (including Libra's Theme)(Robert Fripp, Pete Sinfield)
side : B
⑤ 平和 / テーマ 1:15
Peace - A Theme(Robert Fripp)
☆⑥ キャット・フード 4:52
Cat Food(Robert Fripp, Ian McDonald, Pete Sinfield)
*1970年3月13日リリース
⑦ デヴィルズ・トライアングル 11:30
Devil's Triangle
(a) マーデイ・モーン 3:47
Merday Morn(Robert Fripp, Ian McDonald)
(b) ハンド・オブ・セイロン 4:01
Hand of Sceiron(Robert Fripp)
(c) ガーデン・オブ・ワーム 3:45
Garden of Worm(Robert Fripp)
⑧ 平和 / 終章 1:54
Peace - An End(Robert Fripp, Pete Sinfield)
【録音メンバー】
<キング・クリムゾン>
ロバート・フリップ/Robert Fripp(guitars, mellotron②④⑦, celesta③, electric-piano⑦, devices, production)
グレッグ・レイク/Greg Lake(vocals①②④⑥⑧)
ゴードン・ハスケル/Gordon Haskell(vocals③)
マイケル・ジャイルズ/Michael Giles(drums②③④⑥⑦)
メル・コリンズ/Mel Collins(alto-sax②, bariton-sax②, flute③)
ピート・シンフィールド/Pete sinfield(words, production)
<ゲスト・ミュージシャン>
ピーター・ジャイルズ/Peter Giles(bass②③④⑥⑦)
キース・ティペット/Keith Tippett(piano③⑥⑦)
【チャート】
1970年週間アルバム・チャート イギリス4位 アメリカ(ビルボード)31位 カナダ28位 オーストラリア17位
【メ モ】
・キング・クリムゾンのセカンド・アルバム。全英アルバム・チャート4位を記録したが、これはキング・クリムゾンの全アルバム中最高位である。
・このアルバムは、リリース当初は「ファースト・アルバム『クリムゾン・キングの宮殿』を上回る出来栄え」と賞賛されたが、のちにはその構成が「クリムゾン・キングの宮殿」と大きく似通っていることが問題視された。
・「クリムゾン・キングの宮殿」発表後、イアン・マクドナルド、マイケル・ジャイルズ、グレッグ・レイクが脱退したため、ロバート・フリップはこのアルバムを制作するにあたり、メンバーを探すところから取りかかった。ヴォーカリストは当時無名だったエルトン・ジョンが起用される予定だったが、フリップのイメージと合わず、ひとまずグレッグ・レイクが務めた。レイクが新バンド結成のためキース・エマーソンと合流すると、ゴードン・ハスケルが後任のヴォーカリストを務めた。ハスケルは、かつて「リーグ・オブ・ジェントルメン」時代にフリップとバンド・メイトだった。ベースには、「読譜ができる」という理由で、レイクの前任者だったピーター・ジャイルズが起用された。ドラムスには新メンバーとしてアンディ・マカロックが内定していたが、クリムゾン加入以前の未消化の予定をこなす必要があったため、その代わりとしてフリップの要請でマイケル・ジャイルズがドラムを担当することになった。そのほかメル・コリンズ、キース・ティペットが参加している。
・②「冷たい街の情景」のアルバム発表時の邦題は「踏み車の42番目」である。この曲は、すでに1969年には「ア・マン、ア・シティ」のタイトルでオリジナル・メンバーによって演奏されていた。
・③「ケイデンスとカスケイド」は、ピート・シンフィールドが書いた詞にイアン・マクドナルドが曲をつけていたが、マクドナルドが脱退したためフリップが新たに曲をつけ、グレッグ・レイクのガイド・ヴォーカルで録音したが、本録音前にレイクが脱退したため、新加入のゴードン・ハスケルが代わりに歌った。
・⑦「デヴィルズ・トライアングル」の原曲は、イギリスの作曲家グスターヴ・ホルストの組曲「惑星」の第1曲「火星、戦争をもたらすもの」。ホルストの遺族からタイトルの使用が許可されなかったため、シンフィールドがタイトルを付けた。「デヴィルズ・トライアングル」とは、船舶や飛行機の事故や行方不明事件が多発することで有名なフロリダ沖の海域「バミューダ・トライアングル」になぞらえたものである。
・原題「In the Wake of Poseidon」の正しい訳は「ポセイドンの跡を追って」である。「ポセイドンのめざめ」は、wakeを「目覚める」の名詞であるとしたことが原因の誤訳。