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トラフィック

2022-08-06 18:31:50 | band

トラフィック Traffic


【活動期間】
  1967~1969年
  1970~1975年
  1994年


【メンバー】
 <keyboard, etc>
  スティーヴ・ウインウッド/Steve Winwood(vocals, organ, piano, guitar, bass)*在籍1967~1968, 1970~1975
  バリー・ベケット/Barry Beckett(organ)*在籍1973
  マイケル・マクエボイ/Michael McEvoy(keyboards, guitar, viola)*在籍1994
 <guitar>
  デイヴ・メイスン/Dave Mason(vocals, guitar, sitar, bass)*在籍1967~1968
 <woodwins, etc>
  クリス・ウッド/Chris Wood(flute, sax, keyboard)*在籍1967~1968, 1970~1975
  ランドール・ブラムレット/Randall Bramblett(flute, sax, keyboards)*在籍1994
 <drums, percussion>
  ジム・キャパルディ/Jim Capaldi(drums, percussions, vocals)*在籍1967~1968, 1970~1975
  ジム・ゴードン/Jim Gordon(drums)*在籍1971~1972
  ロジャー・ホーキンズ/Roger Hawkins(drums)*在籍1972~1973
  リーバップ・クワク・バー/Rebop Kwaku Baah(percussion)*在籍1971~1974
  ウォルフレッド・レイエス・ジュニア/Walfredo Reyes Jr.(percussions, drums)*在籍1994
 <bass>
  リック・グレッチ/Rick Gretch(bass)*在籍1970~1971
  デヴィッド・フッド/David Hood(bass)*在籍1972~1973
  ロスコ・ジー/Rosko Gee(bass)*在籍1974, 1994


 「トラフィック」は、「スペンサー・デイヴィス・グループ」を脱退したスティーヴ・ウィンウッドが、コマーシャルになってゆくスペンサー・デイヴィス・グループにはない音楽性を求めて、1967年4月に結成したバンドである。


 ウィンウッドは、スペンサー・デイヴィス・グループの衣装デザインを担当していたステファニー・ウッドを通じて知り合った彼女の兄クリス・ウッド、ウィンウッドの出身地バーミンガムのクラブで知り合ったジム・キャパルディ、スペンサー・デイヴィス・グループのローディーだったデイヴ・メイスン(元ディープ・フィーリング)とともに、1967年春に新たなバンドを組んだ。
 「トラフィック」と名付けられたこのバンドは、アイランド・レコードの創設者であるクリス・ブラックウェルの手配で、バークシャー州のアシュトン・タイロード近くのバークシャー・ダウンズにある人里離れたコテージに引っ越す。電気や水道すらなかったこのコテージには発電機が持ち込まれ、屋外ステージが建てられた。ここで数ヵ月をリハーサルに費やした彼らは、1967年6月にシングル『ペイパー・サン』(全英4位)でレコード・デビューを果たした。同年10月にはデビュー・アルバム『ミスター・ファンタジー』をリリースし、これを全英8位に送り込んだ。
 トラフィックは、ヒッピー・ムーヴメントの萌芽期だった当時のサブ・カルチャーであるヒッピー、ドラッグ、インド指向、サイケデリックなどの影響を大きく受けながら、多様な音楽性を吸収昇華しようとする実験的な面も持っており、ちょうど時代がマージー・ビートからアート・ロックあるいはニュー・ロックへ移行するのに大きな後押しをしたと言えよう。


 しかし1968年初頭に方向性の相違からデイヴ・メイスンが脱退。
 メイスンは、セカンド・アルバム『トラフィック』のレコーディングにはバンド側からの依頼で復帰したが、同アルバムの発表(1968年10月)後に再び脱退、そしてその後みたび復帰する。
 その後間もなく、今度はウィンウッドが脱退し、エリック・クラプトン、ジンジャー・ベイカーリック・グレッチとスーパー・グループ「ブラインド・フェイス」を結成する。
 このため、トラフィックは2枚のアルバムを残して1968年12月に解散した。
 なお解散後の1969年5月には、ライヴ録音とスタジオ録音の両方を収録したサード・アルバム『ラスト・イグジット』がリリースされた。





 1969年秋にブラインド・フェイスが解散すると、ウインウッドは「ジンジャー・ベイカーズ・エア・フォース」に加入、また並行してソロ・アルバム『マッド・シャドウズ』の制作に着手する。この時音楽的志向が似ているとしてジム・キャパルディに協力を求めたことがきっかけとなり、クリス・ウッドを加えた3人で、1970年3月にトラフィックとして再び活動を始めた。『マッド・シャドウズ』はタイトルを『ジョン・バーレイコーン・マスト・ダイ』と改め、トラフィックの再スタート第1弾アルバムとして1970年7月にリリースされた。なお、『マッド・シャドウズ』は、プロデューサーのガイ・スティーブンスが同時期にプロデュースしていたモット・ザ・フープルのセカンド・アルバムのタイトルとなった。
 この後ベースにリック・グレッチを加えたトラフィックは、1971年にライヴ・アルバム『ウェルカム・トゥ・ザ・キャンティーン』をリリースしているが、このアルバムにはデイヴ・メイスンが加わっている。
 1973年1月には、マッスル・ショールズの腕利きスタジオ・ミュージシャンとして知られるロジャー・ホーキンズ、デヴィッド・フッド、バリー・ベケットがバンドに加入した。
 1974年にベースがロスコ・ジー(元ゴンザレス)に交替し、9月には結果的にラスト・アルバムとなる『ホエン・ジ・イーグル・フライ』を発表。
 第2期トラフィックは1975年に入って間もなく活動を停止するまでに、スタジオ・アルバム5枚、ライヴ・アルバム1枚を残しているが、この時期にはトラディショナル・フォークやジャズのみならずブラック・ミュージックやワールド・ミュージックなどにも接近し、実験的要素を強めながら個性的な音楽を生み出し、ロック・シーンにその存在を強く印象づけた。


 1975年にトラフィックを解散させたウィンウッドは、ツトム・ヤマシタのプロジェクト「ゴー」に参加したのち、ソロ活動を行っている。
 1994年、ウィンウッドとキャパルディはトラフィックを再々結成。5月にアルバム『ファー・フロム・ホーム』をリリースしたほか、「ウッドストック1994」へも出演した。
 2004年、トラフィックは「ロックの殿堂」入りを果たした。授賞式にはウィンウッドとキャパルディ、メイスンの三人が出席した。この時に「フィーリン・オールライト」を演奏したが、オリジナル通りメイスンにベースを弾かせようとしたウィンウッドと、ギターを弾くことを望んだメイスンが対立したため、結局メイスンはステージには上がらなかった。



【ディスコグラフィ】☆=ライヴ・アルバム ★=コンピレーション・アルバム

 <アルバム>
   1967年 ミスター・ファンタジー/Mr. Fantasy(US88位, UK16位)
   1968年 トラフィック/Traffic(US17位, UK9位)
 ★☆1969年 ラスト・イグジット/Last Exit(US19位)
  ★1969年 ベスト・オブ・トラフィック/Best of Traffic(US48位)
   1970年 ジョン・バーレイコーン・マスト・ダイ/John Barleycorn Must Die(US5位, UK11位)
  ☆1971年 ウェルカム・トゥ・ザ・キャンティーン/Welcome to the Canteen(US26位)
   1971年 ザ・ロウ・スパーク・オブ・ハイヒールド・ボーイズ/The Low Spark of High Heeled Boys(US7位)
   1973年 シュート・アウト・アット・ザ・ファンタジー・ファクトリー/Shoot Out at the Fantasy Factory(US6位)
  ☆1973年 オン・ザ・ロード/On The Road(US29位, UK40位)
   1974年 ホエン・ジ・イーグル・フライ/When the Eagle Flies(US9位, UK31位)
   1994年 ファー・フロム・ホーム/Far from Home(US33位, UK29位)
  ☆2005年 ザ・ラスト・グレイト・トラフィック・ジャム/The Last Great Traffic Jam *ライヴCD & DVD

 <シングル>
   1967年 ペイパー・サン/Paper Sun(US94位, UK5位)
   1967年 ホール・イン・マイ・シュー/Hole in My Shoe(UK2位)
   1967年 ヒア・ウイ・ゴー・ラウンド・ザ・マルベリー・ブッシュ/Here We Go Round the Mulberry Bush(UK8位)
   1968年 ノー・フェイス、ノー・ネーム・アンド・ノー・ナンバー/No Face, No Name and No Number(UK40位)
   1968年 フィーリン・オールライト/Feelin' Alright(US123位, UK51位)
   1968年 メディケイテッド・グー/Medicated Goo
   1970年 エンプティ・ページズ/Empty Pages(US74位)
   1971年 ギミ・サム・ラヴィン/Gimme Some Lovin' (Part 1)/(US68位)
   1971年 グラッド/Glad
   1972年 ロックンロール・ステュ/Rock and Roll Stew(US93位)
   1974年 ウォーキング・イン・ザ・ウィンド/Walking in the Wind
   1994年 ヒア・カムズ・ア・マン/Here Comes a Man(UK87位)
   1994年 サム・カインダ・ウーマン/Some Kinda Woman(UK81位)



【メンバー変遷】
 #1(1967~1968)
  スティーヴ・ウインウッド(vocal, keyboard, guitar)→ Blind Faith
  デイヴ・メイスン(guitar)→ Mason, Capaldi, Wood & Frog
  クリス・ウッド(flute, sax)→ Mason, Capaldi, Wood & Frog
  ジム・キャパルディ(drums, vocal)→ Mason, Capaldi, Wood & Frog

 #2(1970)
  スティーヴ・ウインウッド(vocal, keyboard, guitar, bass)
  クリス・ウッド(flute, sax)
  ジム・キャパルディ(drums, vocal)

 #3(1970~1971)
  スティーヴ・ウインウッド(vocal, keyboard, guitar)
  クリス・ウッド(flute, sax)
  ジム・キャパルディ(drums, vocal)
  リック・グレッチ(bass ex. Ginger Baker's Air Force)

 #4(1971)
  スティーヴ・ウインウッド(vocal, keyboard, guitar)
  クリス・ウッド(flute, sax)
  リック・グレッチ(bass)→ KGB
  ジム・キャパルディ(drums, vocal)
  ジム・ゴードン(drums ex.Derek & Dominos)
  リーバップ・クワク・バー(percussion)

 #5(1972~1973)
  スティーヴ・ウインウッド(vocal, keyboard, guitar)
  クリス・ウッド(flute, sax)
  デヴィッド・フッド(bass)
  ジム・キャパルディ(drums, vocal)
  ロジャー・ホーキンス(drums)
  リーバップ・クワク・バー(percussion)

 #6(1973)
  スティーヴ・ウインウッド(vocal, guitar)
  ジミー・ジョンソン(guitar)
  クリス・ウッド(flute, sax)
  バリー・ベケット(keyboard)
  デヴィッド・フッド(bass)
  ジム・キャパルディ(drums, vocal)
  ロジャー・ホーキンス(drums)
  リーバップ・クワク・バー(percussion)

 #7(1973)
  スティーヴ・ウインウッド(vocal, guitar)
  クリス・ウッド(flute, sax)
  ロスコ・ジー(bass)
  ジム・キャパルディ(drums, vocal)
  リーバップ・クワク・バー(percussion)→ Can

 #8(1973~1974)
  スティーヴ・ウインウッド(vocal, guitar)
  クリス・ウッド(flute, sax)
  ロスコ・ジー(bass)→ Can
  ジム・キャパルディ(drums, vocal)

 #9(1994)
  スティーヴ・ウインウッド(vocal, keyboard, guitar, bass)
  マイケル・マクエボイ(keyboards, guitar, viola)
  ランドール・ブラムレット(flute, sax, keyboards)
  ロスコ・ジー(bass)
  ジム・キャパルディ(drums, vocal)
  ウォルフレッド・レイエス・ジュニア(percussions, drums)

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